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Ep.30 嫌がらせ ページ30

困る、というのはいささか不自然な言い回しに聞こえた。一年間も追い続ける執着に言葉の重さが見合わない。

「私はね、嫌がらせ(・・・・)ができれば満足だったんだよ。ちょっとした仕返しでいいんだ」

Aが付け加えるようにそう言う。

「でも、その仕返しのために公安からの要請を無視したんじゃ……」

「うっわそんなことも知ってるのかキミ。んー……私ね、やられたらやり返さなきゃ気が済まないタイプなんだよ。その間は他のこと全部二の次になっちゃう」

「……もしかして、Aさんってすっごく負けず嫌い?」

「あはは、大正解〜!」

けらけらと笑うその顔を見ていると、なんだか力が抜けてくる。

知れば知るほど掴みどころのない人だった。謎が多いような、子供っぽいような、複雑なような、単純なような。

だが、それならばなおさら看過するわけにはいかない。改めて彼女と向き合った。

「Aさん。今、あなたが手を出そうとしてる組織は危険だ。もう関わらない方がいい」

「危険……危険かあ。悪いけど手遅れだと思うなあ」

「手遅れ?」

「ま〜なんていうか……いろいろやっちゃってんだよね。奴らが関わってる可能性のある刑事事件とか漁ってたら、警察中心に“ヤマアラシ”って名が通り出してさ。それを利用してちょっかいかけてみたんだ。奴らのサーバーに侵入してみたり……」

「まさか……自分を囮にしてるのか!?」

「そうだねえ。でも奴ら、“ヤマアラシ”がいるとなったら幹部級一人二人は寄越すようになったよ。成果としては上等って感じ?」

「今頃奴らは、情報屋“ヤマアラシ”の素性と居所を暴くのに必死ってわけか……。そしてタイミングを合わせて奴らを誘導し、オレやFBIに情報を流せば、奴らへの仕返しっていうあんたの目的は果たされる」

「そそそ。何より……あのイケメンさんがいる……」

皮肉な笑みでそう言うAはおそらくポアロの安室を思い浮かべていた。火の消えた吸殻を携帯灰皿に放り込む。

「わざわざ彼に私の正体を教えてあげたのに、未だに奴らの動きはビックリするほど遅い。気付いてないハズないと思うんだけどなあ……」

「だからAさんは安室さんを警戒していたんだ」

「それじゃキミも知ってたんだ? あの人が危険な組織の一員だってこと」

「あ、いや、安室さんは……」

そのとき、地面を踏みしめる音がした。

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上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(エモジシクジッタタメサイソウイタシマス) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます!!!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして!ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい!! (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2022年11月25日 16時

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