Ep.25 例外中の例外 ページ25
日本中を騒がせたテロ事件は、しばらく世間の話題となった。
とはいえ犯人は捕まり、未曾有の人災は阻止され、人知れず企てられていた策謀もまた人知れぬまま収束した。
「正確には……AAが協力者として動いていたのは一年前までだ」
いつも通りの日常風景に、安室透はポアロ店員として溶け込んでいる。カウンター席にはコナンが座り、他の客はみなテーブル席に集まっていて梓もそちらの対応へ駆り出されていた。
「一年前……Aさんがポアロへ来なくなった時期と一致するね」
「ああ。実際、その後は関与していないから公安としても彼女の行方は今まで知らなかった」
「協力者から解放することになったのには、今回みたいな理由があるの?」
「解放した……というより、そうせざるを得なくなったんだ」
まるで不本意であったような言い方にコナンは眉をひそめる。
「当時から彼女は情報屋としての側面を持っていたけれど、あるとき厄介事に巻き込まれたらしく大怪我を負って入院した時期があってね。それからだよ……彼女が公安の要請を跳ねのけるようになったのは」
「跳ねのけた? どうして?」
「分からない。ただ、当時の担当者はこう言っていたよ……『まるで何かを執拗に追っているようだ』と。個人的には、彼女をあまり信用すべきではないと思っている」
「何かを……。けど、彼女が公安の協力者だったなら、少なくともその時点では信用出来る人物だったんだよね」
コナンの言葉に、安室は少し考えた。
「……協力者の獲得は、たいてい長い時間をかけて信頼関係を築いていくものだ。けど彼女は違った。偶然を装って近づいた公安職員の素性を短期間で暴き、その上で公安に協力すると申し出たんだ」
「それは……ちょっと想像できるけど……」
「そのときの身辺調査では不審点や不安材料は見られなかったものの……正直に言うと例外中の例外だ。こちらとしても慎重にならざるを得ないということは、君なら理解してくれると思う」
そのとき、バックヤードから梓が安室を呼んだ。何か手を貸してほしいことがあるようで、安室は「はーい!」と笑顔で返事をしながらカウンターを離れた。
残された空間で、コナンは呟く。
「……例外中の例外、か……」
■■■■■閑話休題■■■■■■
またまた私事で大変恐縮ですが、本日、自動二輪卒業検定を無事合格しました!!
皆さまいつも応援ありがとうございます。コメントいただけてとっても嬉しかったです…( ;ᯅ; )
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上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(エモジシクジッタタメサイソウイタシマス) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます!!!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして!ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい!! (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2022年11月25日 16時