Ep.15 飲むわらび餅 ページ15
ある休日。
私が用事を済ませた帰りに通りかかった路面のレストランで事件騒ぎが起きていた。
興味をかられた人間がちらほら集まる中、侵入禁止を意味する赤いコーンや黄色いテープの向こうに、警察関係者がたくさん出入りしている。
その中に見つけたのは江戸川コナンの姿だった。
「……わあ、ラッキー」
立ち入り禁止テープを勝手にくぐって通り、店内にいた江戸川くんへ声をかける。
「江戸川くん!」
「えっ……Aさん? どうしてここに?」
丸く見開かれた目。左手に持ったケーキの箱をちょっとだけ掲げて見せた。
「情報屋の報酬でパティスリーのギフト券もらったんだ! それでタルトとか買ってきた帰りなんだけど……」
「……で、右手で持ってるドリンクカップは?」
「さっきそこで買った『飲むわらび餅』」
「あ、そう……」
とかやっていたら普通に警察の人に見付かって怒られた。勝手に入るなと注意をしてきたのは恰幅のいい警部さん。
「また君の知り合いかね、コナンくん!」
「あはは……」
「まさか探偵とか言うんじゃないだろーな……?」
「私? 私は探偵じゃないよ! 情報屋!」
「……はあ? 情報屋?」
「探偵はこの子。でも調べものなら探偵より私の方が専門! ってわけで捜査のお手伝いしましょーか?」
「バカ言わんでくれ……とにかく部外者は外へ行った行った!」
「えー、でも江戸川くんは私が仕事するとこ見たいよねー?」
「え?」
なんでこっちに振るんだと言わんばかりの顔である。
「で、ここで何があったの?」
「殺人事件みたいだよ。ボクもたまたま通りかかっただけで、今話を聞いてたとこなんだけど」
「……私が言うのもなんだけど、よく現場に入れたね……」
「あ、あはは……お互いにね……」
困ったようにため息をつかれながらも、結局その場にいることが許されたのは江戸川コナンの存在あってこそだろうと思う。
まずは江戸川くんから捜査状況を聞くことにした。
どうやらすでに容疑者は三人まで絞られている。が、容疑者たちと被害者との接点がいまのところ見当たらず、証拠も動機も分からない。
そういったことなら、と私はカバンから愛用PCを取り出して適当なテーブル席に陣取った。
「もしかして今から調べるの? 三人と被害者との個人的な関係性を……」
「そうだよ!」
腕をグッと伸ばし、指を握ったり開いたり。
「じゃ、キミにも協力してもらおうかな」
「へ?」
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上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(エモジシクジッタタメサイソウイタシマス) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます!!!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして!ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい!! (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2022年11月25日 16時