Ep.12 半熟ケーキ ページ12
「わあ、あなたが名探偵の毛利小五郎さん! 私、AAです! 会えてよかった!」
「ああいや、こちらこそ光栄です! 何かお困りごとがあればいつでもいらしてください」
その後、店へやってきた小五郎を交えて安室が作った新作ケーキの試食会となった。
Aもまた元の調子でちゃっかり参加している。
「にーちゃん、これすっげーうめー!」
「この前のケーキよりもっとおいしくなってる!」
「トロトロした食感がいいですね!」
「ほんとほんと! これじゃ前より頻繁に通っちゃうよ!」
「ケーキのおかげでねーちゃんも元気でたみてーだな!」
「え? あっ、じゃあ私お腹すいてただけなのかな!?」
「アハハ!」
「そういえばAさん、コナンくんに聞きましたが……情報屋だとか?」
安室がそう切り出すと、Aは明るく「そだよ! お金は取らないけどね!」と返した。
「情報屋……ですか!?」
「かっこいー!」
「お金は取らない……それじゃ、彼ら少年探偵団のように無償で慈善活動を?」
「いや、それも違う。私は私が納得する対価をもらって、納得した分の情報を返してるだけだよ」
「例えば?」
少し間があった。もったいぶるように笑みを深め、Aはフォークを持たない方の指で目の前の皿を指した。
「私が情報の代わりに貰うのは、コレ」
「……ケーキ……いや、スイーツ?」
「うん、そう。なんでもいいんだよ、市販の駄菓子でも輸入品の珍品でも。で、もらったものがどれだけの価値になるかは私が決めるんだ。だからこそ揉めることもあるけどねえ」
「じゃあ、歩美もお姉さんにお菓子あげたらお仕事依頼できるの?」
「お? なんか知りたいことあるのかな? なんでもお姉さんに任せてごらん!」
コナンは安室の様子を窺った。
「スイーツを対価に……情報を……」
低くそう呟いてから、一瞬忘れていた笑顔を見せて安室はまた問いかける。
「そうだ、もうひとつ伺いたいことがあるんです。あなたはおよそ一年前、ぱたりとポアロに姿を見せなくなったそうですが……最近になってまた通い出すようになったのはなぜ? その期間は何をしてらしたんです?」
するとAが目を丸く見開く。
「えっ、普通お客さんにそんなこと聞く!? 理由によってはお互い気まずいだけだよね!?」
「すみません、つい気になってしまうもので……」
「すんごい豪胆だねこのイケメンさん!?」
「ハハ……」
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上坂 - 夢主好き💛 (2023年1月19日 21時) (レス) @page14 id: f311cd81c1 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主好き💜 (2023年1月4日 18時) (レス) @page32 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆(エモジシクジッタタメサイソウイタシマス) (2022年12月13日 3時) (レス) id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - おめでとうございます!!!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2022年12月13日 3時) (レス) @page25 id: 6fdcf214e0 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - はじめまして!ほろにがクラゲ★様いつもの楽しみに読ませていただいております。本当にコナンの世界に出てきそうな感じの夢主さんでこれからの展開にワクワクしております。卒業試験頑張って下さい!! (2022年12月1日 15時) (レス) @page13 id: 33a5069289 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2022年11月25日 16時