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Ep.152 それらしい演出 ページ2

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「ったく、あの怪盗……」

せっかくいい場所だと思ったのに、怪盗のせいでまた他の所へ行かなくてはならなくなった。

大股で廊下を歩き抜ける。

こうなったらもう最悪どこでもいい。けどできればなんかこう……それらしい演出でもあれば、多少は気が軽くなるだろうと思ったのだ。

そのとき、ポケットが震えた。

知らない番号からの着信だった。少し迷ったが、まあなんでもいいかとあまり考えなしに応答ボタンを押した。

『……A! 今どこにいる!?』

すぐにコナンの声がした。なにやら焦っているようだ。

「どこって……船内歩き回ってる」

『なあ、オメー言ってたよな? この船に組織の仲間が乗ってるかは分からないって』

「言ったけど……」

そういえばそんなことを言ったっけ……と呑気に考えたのもつかの間、少々まずいことを思い出した。

私も今朝になって知ったことだが、この船にはベルモットが乗っていたじゃないか。いや、待て、それを言うのは彼が焦ってる理由を聞いてからでいい。

「何かあったの」

『いや……灰原が嫌な気配を感じたって言うから、もしかしてと思っただけだ。まあオメーの父さんが近くにいただけかもしれねーし、単に気のせいってこともあるから……』

「嫌な気配って……どこで?」

『プロムナードデッキのレストランの前を通りかかったときだったな……』

プロムナードデッキ……この船の七階層目は、外壁沿いの廊下が壁のない遊歩道となっている。船内で唯一、船首から船尾までをぐるりと一周しながら海を眺めることのできるデッキだ。

朝食の席を立ってから私が向かったのも、ベルモットと遭遇したのも同じデッキ。となればレストランに出入りする人混みの中でベルモットとすれ違った可能性が高い。

今回の件は彼らと全く関係がないし、相手が相手だから大丈夫だとは思うけれど……。

「(だとすると、そのあと彼女はどこへ向かったんだ……?)」

仮にコナンたちが向かうのと反対方向へ行ったのだとすれば、その先に客室デッキへ向かうエレベーターはない。

むしろ今回の航海では使われていない客室や、窓ひとつない下層のデッキへ向かう方向だ。

どんどん人気のない方へ、人目につかない方へと進んでいるような……。

「まだ、何か……」

『……どうかしたのか?』

耳元のスピーカーの声でハッと我に返る。通話中なのを忘れていた。

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サラキ(プロフ) - 完結おめでとうございます。長期間の連載、本当にお疲れ様でした。とても素敵な作品を読ませて頂いてありがとうございます。これからも応援しています。 (2022年10月17日 16時) (レス) @page24 id: 8b491ab3be (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 完結おめでとうございます。占いツクールでこの作品を投稿してくださり本当にありがとうございます。知ったのは遅かったですが、完結前に応援を出来たこととても嬉しく思います。 ほろにがクラゲ様 の今後の活動を心より応援しております。本当に長い間お疲れ様でした。 (2022年10月11日 17時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - わざわざ返信ありがとうございます!ログインしていない時にコメントしたのでIDは違いますが、本人です。私も文を見返してアホだなぁと笑ってしまいました🤭 (2022年10月6日 21時) (レス) id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとっても嬉しいです(~*ˊ꒳ˋ*)~ ちょっとでもリアリティを感じてもらえたらと書いております☺️すみません、突然の誤字にちょっと笑ってしまいましたw (2022年10月3日 10時) (レス) id: 5ce108a39e (このIDを非表示/違反報告)
m - 文、変に語彙ってしまいました。すみません🙇‍♀️ (2022年9月28日 4時) (レス) @page3 id: 721fbfd58e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2022年9月27日 16時

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