Ep.14 あのお姉ちゃん ページ14
え、という吐息のような短い音に喫驚の色が満ちていた。その反応を聞いて、私は初めて、今しがた自分がどんなつもりで言葉を発したのかを考えた。
────あ。
背中に冷や汗が浮かぶ。私、今、何て言った？
くだらない妄想は黙ってるのが最善、さっきそう言ったじゃないか。
ちらりとコナンの顔を見やれば、狼狽まじりの目が大きく開いて、まっすぐにこちらを見ている。
……参ったな。どうしよう。何か言われる前にこっちから言わなきゃ。
「な……んてね。冗談だよ、冗談」
「じ、冗談……？」
「そう、冗談。漫画やドラマだったらそんな感じかな、とか考えてただけ」
だいぶ苦し紛れだな。焦りがバレないように、慌てて付け加えた。
「コナンくんこそ、さっきから忙しそうだけど、犯人は分かった？」
「あ、うん。まあね」
「まあねって……分かったの？」
「さっき電話で相談したから！」
……誰に、とは聞かないことにした。誰の名前が出たところで嘘なのだろう。
「ホント？ スゴいね。じゃあその話、警部さんに聞かせてあげたらいいんじゃないかな」
「そうだね！ ボク行ってくる！」
駆け出した背中を見て、ようやく息をついた。たぶん誤魔化せた。おかしなことは言わなかったはず……ド不謹慎女だとは思われたかもしれないけれど。
いやー、危ない危ない。危ないっていうか、さも当然のように当てずっぽうで犯人の見当付けてる自分が危ない。不謹慎だとかいうのは置いといても、こういうことになるからやっぱり控えないとな。
そりゃあ犯人が分かったと言っていたコナンは驚くだろう。もし越智さんが犯人でないとしたら、私はなぜか自信満々に迷推理を披露するイタい女子高生である。切り抜け方は他にもあったが、冗談ということにして正解だったかもしれない。
「……越智さんが、犯人でない……」
ふいに気になることがあった。
では逆に、越智さんが犯人だったら？
私の迷推理が、ことのほか名推理であったとしたら？
……彼はどう思う？
確率は三分の一だ。もし、もしもそうだったなら……
ハッと顔を上げた。コナンが目暮警部の元で何かを訴えている。警部もそれに耳を傾けていた。内容は聞こえないが、やがて警部が考え込むような姿勢でピタリと止まる。なにか呟く。直後、嬉々とした声がここまで響いてきた。
「────って、あのお姉ちゃんが言ってたよ！」
…………あのって、どの？
嫌な予感を覚えると同時に、それは的中した。
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ほろにがクラゲ(プロフ) - カミレさん» 以前から！ありがとうございます🙏😊✨自分が好きなものをずっと書いてますが、喜んでくれる方がいると思うととっても嬉しいです…！✨ またよろしくお願いします！ (2021年11月2日 15時) (
レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
カミレ(プロフ) - 以前からほろにがクラゲさんの作品が大好きです。久しぶりに占ツクに来てみたら、新しい作品があってとっても嬉しいです。お話の構成とスピード感、尊敬してます。今回も面白いお話をありがとうございます！ 応援してます！ (2021年10月29日 14時) (レス) @page14 id: 6ee71cea05 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ふれあさん» コメントありがとうございます！ホントですか…嬉しいです…🥺更新頑張ります！ (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - 鈴凛さん» コメントありがとうございます！お好きと言っていただけると自信になります…✨✨ (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - snowcatさん» コメントありがとうございます❗あっという間…好み…とっても嬉しいです…😊✨これからも頑張ります！ (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2021年9月7日 21時
