Ep.12 犯人である可能性 ページ12
話は耳に入っていた。自己紹介と被害者との接点について、容疑者の三人が順々に聞かれていたのだが、その白羽の矢が私に回ってきたようだ。
「まさか聞いていなかったのかね?」
「あ、いえ……。AAです。高校一年生」
「高校一年生か……、被害者とは何か接点が?」
首を横に振りながら、遺体が搬送され痕跡のみとなった現場を一瞥する。
「私はただ、あの子たちと現場に居合わせて、警察が来たら証言してくれって頼まれただけで……」
「あの子たち? ああ、そういう事か……」
若干の責任転嫁を図ってみた。
状況を考えれば当然のことなのだが、警察サイドから見た私は容疑者ではない。
なぜなら事件の現場は落下地点ではなく、落下前にいたハズの場所だからだ。証人以上にはならない立場だが、なぜこうして未だ現場にいるのかと問われれば、とてつもなくタイミングが悪かったというだけの話である。
そう、彼らを目撃するのがここでなければ、あるいはこのタイミングでなければ……、そう考えて探偵団の姿を探すも、なぜか四人しか見当たらなかった。一人足りない。
足元に目線を落とす。
すぐ隣にコナンがいた。
「……いつの間に」
「えへへ……」
どうやら今の自己紹介を聞いていたようだ。かと思えばすぐにいなくなり、全く違うところを調べ始めた。忙しいものである。
────さて、容疑者の方に話を戻す。
「だからぁ、オレは何の関係もねえって!」
ガラの悪い男が宮井。つり目で逆立った短髪。アロハみたいなシャツも相まってチンピラ然としている。
「社長が亡くなったとなると、我々もじっとしている訳にはいかないんだよ」
宮井より年上の中年男性が濱崎。覇気のない雰囲気だが、他二人の言動の節々から上司であろうことが窺える。
「仕方ないですよ、宮井さん、濱崎さん。こうなったら、怪しいところがないってちゃんと調べてもらいましょう」
若手の青年が越智。真面目らしいが決して気弱といったふうではなく、どちらかと言うと営業っぽい好青年だ。
……なんだかんだ巻き込まれてしまったが、私が犯人にされることはないだろう。
だいたい察しがついた。
根拠はない。だが、私にはそうとしか思えない。
犯人である可能性が最も高いのは────
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※自己紹介シーンがフルネームになっていない場合、苗字の設定が済んでおりません。
目次にあるリンクから設定をお願いいたします。
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ほろにがクラゲ(プロフ) - カミレさん» 以前から!ありがとうございます🙏😊✨自分が好きなものをずっと書いてますが、喜んでくれる方がいると思うととっても嬉しいです…!✨ またよろしくお願いします! (2021年11月2日 15時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
カミレ(プロフ) - 以前からほろにがクラゲさんの作品が大好きです。久しぶりに占ツクに来てみたら、新しい作品があってとっても嬉しいです。お話の構成とスピード感、尊敬してます。今回も面白いお話をありがとうございます! 応援してます! (2021年10月29日 14時) (レス) @page14 id: 6ee71cea05 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ふれあさん» コメントありがとうございます!ホントですか…嬉しいです…🥺更新頑張ります! (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - 鈴凛さん» コメントありがとうございます!お好きと言っていただけると自信になります…✨✨ (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - snowcatさん» コメントありがとうございます❗あっという間…好み…とっても嬉しいです…😊✨これからも頑張ります! (2021年10月24日 17時) (レス) id: 353f334da7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2021年9月7日 21時