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私たちが世間話に興じているうちに、警察は現在の警備体制について見直しの意向を見せ始めていた。

ここでも気になるのは、コナンくんがそちらに興味を示していること。やはり事件とかそういうのが好きなんだろうか。

「キッドが既に現れたなら、今すぐにでも配置を入れ替えるべきだ!」

「じゃが変装したキッドが紛れ込んでいる可能性があるなら……」

どうやら警察側の主張は、予告時間までに警備を改め警備員に化けた怪盗キッドを寄せ付けない作戦らしい。しかし既に紛れ込んでいるのであればあるいはチャンスを与えてしまう可能性もある。それがおじさまの考えだ。

(どちらでも構わない。私は私のやり方で目的を果たすまでだ)

そういえば彼……怪盗キッドは、"私"の正体に気づいていないようだった。

それについて私は、胸を撫で下ろすことも、失意を覚えることもない。それも今はどうだっていいことだ。いずれ彼には、ワタシの素性を明かす。

全ては目的のために。

その後、結局警備は場所をまるごと変えることとなった。今回の警備システムは大掛かりなものではなく、ショーケースごと持ち運びが可能であることが妥協点になったらしい。

それに伴い警備は最小限にまで抑えられた。部外者が紛れ込みやすい有象無象の警備は用意せず、限られた者以外へは宝石の避難場所すら明かされない。

当然というか幸いというべきか、キッドの正体を見破った私はその限られた警備陣に加えられた。

しかし驚きだ。毛利さんはともかく、コナンくんにまで警備の詳細を知らされるとは。キッドが子供に化けることはないとはいえ、相当の信頼を置かれているようだ。

「……では毛利さん、それに鈴木Aさん、よいですな。この件に関しては、くれぐれも口外しないように……」

「園子や蘭ちゃんにもですか」

「……信頼がおけないと言っているわけではありませんがね。関係者と呼べる人間を少しでも減らし、奴の選択肢を狭めるのが作戦の前提なもんで」

「ええ、理解してます。コナンくんも……大丈夫よね?」

「うん! 約束守れるよ!」

言い回しはまるで純朴な子供のようだ。……いや、彼はそもそも子供じゃないか。純朴かどうかはまだ判然としないが。

予告まで二時間を切った。少数の警備と関係者中枢以外には全てを伏せられたこの状況で、怪盗はどうやって宝石へと辿り着くのか、そのすべを誰もが知りえない。

この場にいるたった一人を除いては。

Ep.5 怪盗ヴィオラ→←.


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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» こちらこそ続編までありがとうございます!読んでくれる皆様のおかげです……!一生じゃなくていいのでまた着いてきてくださると嬉しいです(笑) (2019年9月28日 14時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 本当に過去編を書いてくれるなんて、、、!ありがとうございます!!一生ついて行きます!笑 これからも更新頑張って下さい! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月25日 18時

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