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「……天空の貴婦人、レディースカイ」

「ああ……望みは薄そうだけど、直々に招待されちゃあな。それにオメーが探してるのは『青い宝石』だろ?」

まるで夜空のように煌めく丸い石。厳重に守られ保護された貴婦人は、今にも怪盗の手中に収められようとしている。怪盗キッドが予告を律儀に守る怪盗紳士でなければ、今頃ショーケースの中身は空っぽになっていただろう。

「とりあえず、日が暮れてからのお楽しみだな」

「あれ? 何その絆創膏……」

「ああ、あの子に貰ったんだよ……搭乗の時ちょっと擦りむいちまって」

「あの子って……」

「名探偵のカノジョ」

何を言わんとしているかは察しがつく。彼が名探偵と呼ぶのはあの小さな探偵だ。

「ねえ、前から気になってたんたけど、あの江戸川コナンって子……」

そのとき、ピンポンと明るい音がエレベーターから聞こえる。二人は何事も無かったかのように目を逸らし、Aはステージを降りてまっすぐ出口へ向かった。エレベーターから出てきたのは蘭だった。

「あ、Aさん! 宝石見に来てたんですか?」

「蘭ちゃん! そうなの、気が合うね。さっき人が多くてあんまり見られなかったもんね」

「そうなんです、だから私もついスカイデッキに」

「そっかぁ。私は一足先に戻るね、またあとで」

ひらりと手を振って開いたエレベーターに乗り込む。去り際に見た扉の隙間から、ウェイターと蘭が何か話しているのが見えた。

「……ま、大丈夫でしょ」

この時、Aは気付いていなかった。キッドが腕に貼っていた絆創膏には目印がついていたこと。そしてその絆創膏を貰ったのは作業員に化けたキッドであったこと。

スカイデッキで蘭に変装を見破られたキッドは、咄嗟にある嘘をついた。それは、「怪盗キッドの正体は、蘭の幼馴染である工藤新一」だという嘘。

苦し紛れの機転でその場をどうにか切り抜け、展望フロアのエレベーター前で「じゃあな」と短く残し蘭と別れる。階段を降りた先には、腕を組んで手すりによりかかって立つAが待ち構えていた。

「……いや、何アレ?」

「いや、その……うっかり……」

「なんとかなったならいいんだけどさ、蘭ちゃんになんて言ったの? 『じゃあな』って……」

「名探偵の顔を借りたんだよ……そうするしかなくてさ」

「名探偵って……」

「工藤新一だよ。高校生探偵の」

なるほど、と納得する。確か彼と蘭は幼馴染だったはずだ。

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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます!完結しました!よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー?って心配で…ホントですか!過去編!か、書いてみようかな?? (2019年9月22日 21時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!ほんっとに最高でした!!過去編マジで見たいです…! (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー!できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(;´Д`)今後も頑張ります! (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー!!((^ω^ΞΞΞ^ω^))これが見たかったー!!映画風の夢小説見たかったんやー! (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました? (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月5日 16時

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