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確かに、江戸川コナンはただものではない。それはこの場にいる全員がこのダイニングで目の当たりにしている。

「……ちっ……、おい! オレは上を見てくる、コイツらを見張ってろ!」

「了解!」

しめた。笑みが深くなるのを抑え、縄にかけたナイフを意識する。私だけでも拳銃を持った人間一人くらいは無力化できる。

西谷を置いて石本がダイニングを出ようと背を向ける。こちらから目を離したその一瞬が​───────……

そのとき、船内に大きな衝撃が走った。前触れのない地震のようなショックウェーブが、床を揺らし家具を動かす。

「うわっ!?」

「なんだぁ!?」

床が段々と傾きだし、椅子やテーブルが壁に向けて滑り出す。唯一両手が自由な犯人たちはそばのテーブルに寄りかかって天井を見上げた。どうやら計画のうちではないらしい。

「まさか明石海峡大橋にぶつかったんじゃ……」

だんだんと飛行船は角度をつけ立っていることも困難になる。くい込んだ縄が自分自身の体重を支えたが、壁へ落ちていく物や家具を見るとそんなことを気にしてもいられなかった。

その直後​───────

「う、うわああああぁぁ!?」

急激に傾きを増す船内。浮遊感というより、強い重力を感じる。Aは手元で嫌な感触を覚えた。ブツッ、と何かの切れる音に冷や汗をかく。

「嘘っ……」

小さなナイフが今の衝撃で縄を千切り、ほぼ垂直になった床を足が離れれば、一瞬ふわりと柔らかな浮遊感を覚える。

広いダイニングの壁に落ちれば、最悪の場合ただでは済まない。打ちどころが悪ければ脳挫傷もありえる。

「きゃああああぁぁあっ!」

遠くで、誰かの悲鳴を聞いた。



飛行船の自動運転により、すぐに傾きは通常飛行の状態まで直された。徐々に床が正常へと戻っていく中で、園子はいち早く立ち上がって「姉貴!」とテーブルの散乱した壁の方へ叫ぶ。

「ねえ、Aお姉さんは!?」

「い、いま向こうに……!」

Aが縄を抜けてしまったのを見ていた探偵団の声で、全員が壁際に目をやる。いくつもの危惧の念を伴った視線の先では、犯人たちが壁に頭を打ち重なり合って意識を失っていた。

「……ったた……」

そのすぐそばに、腰をさすりながら平然と立ち上がるAがいた。

「あ……あれ?」

「あーあ……もう無茶苦茶だよ……。テーブルは固定した方がいいかもね、次郎吉おじさま」

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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます!完結しました!よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー?って心配で…ホントですか!過去編!か、書いてみようかな?? (2019年9月22日 21時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!ほんっとに最高でした!!過去編マジで見たいです…! (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー!できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(;´Д`)今後も頑張ります! (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー!!((^ω^ΞΞΞ^ω^))これが見たかったー!!映画風の夢小説見たかったんやー! (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました? (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月5日 16時

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