鈴木財閥の裏表レディは怪盗の相棒【天空の難破船/名探偵コナン】

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犯人一味の中に、漆に耐性のある人物がいた。コナンが最初に眠らせた、爪の黒ずんだあの男。元々犯人たちは細菌など盗んではいなかったのだ。その証拠として、犯人の目の前でアンプルを開けようとしても犯人は平然としていた​───────……

「……だよね、おじさん？」

「あ、ああ……大丈夫か、蘭？」

コナンが振り返ると、それを皮切りに数人が喫煙室へと足を踏み入れる。小五郎に園子、そしてAが続いた。

「それにホラ、最初の発疹とは別に、手のひらとか足の裏……それに太ももの裏とかにも発疹が出てるでしょ？ きっと犯人たちは、この部屋の至る所に漆を吹き付けたんだと思うよ」

蘭の手のひらや腕の後ろには、赤い発疹が現れていた。それはこの部屋でドアノブやソファに触れたところばかり。

「だから蘭姉ちゃんは、ここでタバコを吸って漆にかぶれた藤岡さんに掴まれた腕には発疹が出たけど、それ以外のところにはこの部屋で何かに触れたところにしか発疹、が…………」

それまで流暢に推理を披露していたコナンが、突然上の空になって言葉を止めた。

「……コナンくん？」

何事かと恐る恐る声をかけた、次の瞬間にコナンは跳ねるように踵をかえし喫煙室を飛び出して行ってしまう。小五郎が慌てて呼び止めるも、すでにその背中は遠い。

Aは一度それを追いかけようとしたが、窃盗犯の手から取り戻したラピスラズリは今や次郎吉の懐にある。飛行船の航海も終盤、テロリストたちも制圧したところでAには怪盗の相棒という本来の仕事が残っていた。

「な、なんだアイツ……急に血相変えやがって」

「……きっとなにか気づいたことがあるんですよ……毛利さん、それより蘭ちゃんを連れてダイニングに戻ってください！ ただの漆かぶれとはいえひとまず洗浄だけはすべきです。薬があれば私が処置します、とにかくシャワールームを借りましょう」

「あ、ハイ……」

「石鹸とぬるま湯で患部をよく洗ってから医務室に来てください。私は先に行って薬を探します、おじさま！ 医務室って鍵開いてる？」

「あ、ああ、確か外側の鍵は……」

「あれ？ でも待って、医務室は最初の感染者の隔離部屋になっているはずじゃ……」

「え？」

戸惑いがちな園子の言葉に、振り返って廊下の先を見た。ついさっきコナンが走っていったのは医務室のある方向だ。

最初の感染者といえば、確か​───────……

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