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"名探偵"──────そういえばキッドが「名探偵」と呼んだことがあるのは、あの小さな探偵だけではなかった。
工藤新一。かつては一世を風靡した高校生探偵で、今は行方不明。一時期は何かの事件に巻き込まれて命を落としたとも噂されていた。
「……消えた高校生探偵……」
そういえば、と不意に思い出す。探偵団と飛行船内を探検をしていた最中、江戸川コナンは妙な時期に帝丹小学校へ転入してきた転校生だとか聞いた。なぜ今それを思い出したのかは分からない。
なにか因果関係があるのだろうか？ よもや人が縮んで子どもになるなんてことがあるわけはないし───────
規則的な音が思考を遮った。タンタン、と軽いような重いような音が段々と大きくなる。足音が近付いてくる。
宝石のショーケースの更に奥、エレベーターの対角線上に口を開ける非常階段から姿を現したのは、傷一つなく元気な様子の江戸川コナンだった。
大したものだ。内心ではただ感心しつつ、心配する素振りを見せつける。
「こ……コナンくん！ 無事！？」
「ここには誰も来てない？」
ずっと階段を昇ってきたのか肩で息をしながら辺りを見回して、ぴょんとステージの柵を越えてきた。その問いに頷いて答える。
聞きたいことを問おうと口を開きかけたとき、かすかな足音が耳に入った。同じ音だ。階段を登ってくる。ただし、さっきの音よりもずいぶんと重かった。
二人はほぼ反射的に身を屈めて、Aがコナンを抱え込むようにショーケースの土台の影に隠れる。
「……！ 奴ら……、まだ追ってきてるのね」
現役の傭兵さながらフロアに転がり込み周囲を警戒する武装兵。そっと息を潜めた。
「……ここにいて……」
「え？ ああ……」
突如ささやき声でそう言い残しコナンが立ち上がる。右手の人差し指を、セキュリティ装置の電子パネルの上に伸ばした。
(……って、ちょっと！ それには指紋認証の警報装置が……！)
慌てて止めかけるも遅く、コナンはステージにいる犯人を見てパネルをひとつ叩いた。しかし予想に反して、装置は無機質な電子音を「ピッ」とだけ鳴らす。
「1、と……」
その声に気付いた犯人が銃を構えて振り返る。視線の先には、イタズラっけに笑う子供。
「……7！」
「は、……うわァっ！？」
気の抜ける悲鳴をあげて、男は作動した落とし穴に落ちて行った。ぱたり、蓋が閉まるとAはそっと立ち上がる。
……ああ、そうだ。彼は指紋シールを持っていたんだった。
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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます！完結しました！よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー？って心配で…ホントですか！過去編！か、書いてみようかな？？ (2019年9月22日 21時) (
レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます！ほんっとに最高でした！！過去編マジで見たいです…！ (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー！できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(；´Д｀)今後も頑張ります！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー！！（（^ω^ΞΞΞ^ω^））これが見たかったー！！映画風の夢小説見たかったんやー！ (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました？ (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2019年9月5日 16時
