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迎えの車を降りて、見慣れた豪邸の玄関へ向かう。つかの間の大阪旅行を楽しんだあと、Aは園子と共に、飛行船の出立前日に荷解きをしただけの自宅へとようやく帰った。

「パパ! ママ! ただいまー!」

「おお、A! 飛行船、たいへんだったらしいじゃないか? 二人とも怪我はないのかい?」

心配そうに玄関で出迎えた父に、朗らかに笑って顔を見合わせる姉妹。奥から母が顔を出す。両親とも常に身なりはキッチリしているが、母の朋子はそれが顕著だ。

「うん、ぜーんぜん平気。ね、園子」

「まあね! 結局ニセモノだったわけだし?」

「ちょっとA、あなた一昨日部屋にスーツケース放り投げたんじゃないの? ひどい散らかりようだったわよ!」

「あ、ママ……いや、ちょっと忙しくて……気が付いたら朝に……」

「いいから早く片付けをなさい!」

「は、はーい!」

母の声に急き立てられて部屋へ走った。どうせ三日もしたら帰るんだから、多少散らかっててもいいじゃない……。

昨日ぶりの部屋の扉を開け放つと、広いベッドには洋服や靴下があちこちに散らばっていた。

床には謎のケーブルがそこかしこにうねっては絡み合う惨状。高級店の紙袋が机の下に倒れ、旅立つ前友人に持たされたおやつ用のお菓子のパッケージがベッドの下から顔を出している。


​……や、やっぱり少し片付けよ……。



​───────​───────

───────…………


事件から数日、白昼の住宅街。そこは近所の学校の通学路になっていて、授業の終わった気だるげな学生たちがのんびりとした歩幅で家路につく。

江古田高校二年、黒羽快斗は一人帰路を辿っていた。閑静な住宅街の何度かの角を曲がる。

「おかえり、快斗クン」

ぱちくりと目を瞬く。数日前にも見た顔は退屈そうに電柱にもたれていて、快斗の姿を見ると呑気に片手を上げて挨拶した。

「え? あ、おう……なんでここに……? 」

「明日帰るから、一応あいさつにね。あとコレ、渡し忘れてて」

「なんだこりゃ? チョコレートか?」

「じゃーん。シカゴの名店、『ショコラティン』のジュエリーシリーズギフト! やっぱり私たちの共通点といえば宝石だからね。寺井さんにもよろしく」

「おー、さんきゅ……待て待て待て、一粒二千円の高級ブランドじゃねーか!」

「本物に比べれば駄菓子みたいな値段よ」

「さ、さっすが鈴木財閥……」

「じゃ、また何かあったら……」

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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます!完結しました!よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー?って心配で…ホントですか!過去編!か、書いてみようかな?? (2019年9月22日 21時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!ほんっとに最高でした!!過去編マジで見たいです…! (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー!できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(;´Д`)今後も頑張ります! (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー!!((^ω^ΞΞΞ^ω^))これが見たかったー!!映画風の夢小説見たかったんやー! (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました? (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月5日 16時

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