Ep9.喫茶処の記憶 ページ9
「解せぬ」
なんか……事務所追い出された。
いやおかしいでしょ。人のこと連れてきといて「事件の話するからお前らは外出とけ」ってなんだよ。
あの男いつか全力で頭はたいてやる。
「ホンマ探偵っちゅうんは何であんな自分勝手なんやろな……」
「しょうがないよ、せっかくだから三人でスイーツでも食べに行かない?」
「スイーツ! 行こう!」
蘭ちゃんの提案と私の乗り気で、追い出された女子三人は近くのカフェを探す事にした。
…………気になるんだけどさ。
あるよね、近くのカフェ。近くっつーか、真下に。
……いややめとこ!? そこはやめとこう! 万が一! 万が一があるから!
私の無言の祈りが通じたのか、二人は何事もなくポアロをスルーし、駅の方へ続く大通りへと進みだした。とりあえず安堵。
初っ端から公安に遭遇なんてシャレにならん。会いたいけど会いたくない。
まあ、記憶が戻ったら会いに行こうかな。
有名店のレインボーケーキとまではいかないが、蘭ちゃんのガイドにより近場のかわいらしい喫茶店で女子会となった。
メニューを見ながら、私何が好きだったっけと考えてみる。やっぱりダメだったからコーヒーとオススメケーキセットにした。
「改めまして、毛利蘭です。和葉ちゃんと同い年で高校二年生」
「あ、どうもご丁寧に。槻舘と申します。18歳らしいけど自覚無いし留年したクラスメイトとでも思ってください」
ホントね。いや私まだ自分は16歳くらいじゃないかと疑ってるから。
「Aさんは記憶喪失、なんですよね……?」
「そうみたいなの。困っちゃうよね」
「蘭ちゃん、この人ずっとこんな感じやからテキトーでええよ」
「そーそー、テキトーでいいんだよ。……ま、記憶に関しては……今んとこ全然。服部に解放されたらとりあえず自分の家に向かうつもり」
「そうですか……。あの、さっきも紹介したとおり、うちの父は探偵ですから! 困った事があったら連絡してくださいね」
なんと、事務所の電話番号と蘭ちゃんの連絡先を手に入れた。
まじか。天使か蘭ちゃん。和葉ちゃんと合わせてダブルエンジェルか。
「本当? じゃあ、もし何かあったら頼らせてもらおうかな!」
「あ、せやAさん。結局病院行ったん?」
「行ったよ。二人ともうるさかったしねぇ」
「結果は?」
「心因性だろう、ってさ」
本当は行ってない。警察も病院も、行きたくない。
それは私がまだこの世界を信用していないからなのか。
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もこ - 面白い (10月11日 17時) (レス) id: 67135257cc (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ののいろ系女子さん» ここで……終わってしまいました!<(・`-・`)>バーン ありがとうございます!そうですね、次はちゃんと(?)トリップものにしようかと考えています。よかったら次もよろしくお願いします! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます!こんな打ち切りみたいな終わり方でいいんだろうか……と思っていたのですが、楽しんで頂けたなら良かったです! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - ここで!?でも、これはこれで結構良いわぁ!←何様 黒の組織エンド最高でした!次の作品は、トリップか転生物が見たいなぁって。てへ( ^∀^)← (2019年2月4日 19時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 黒の組織エンドめっちゃいいです!最後まで楽しませていただきました!完結おめでとうございます! (2019年2月1日 8時) (レス) id: f6af1829c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2018年7月28日 19時