Ep8.事務所の記憶 ページ8
あっやばいやばいやばい
え、いや、何がって、あのね。毛利探偵事務所が見えてきました。
目の前に服部平次いて今更なんだって話だけどさ。でもやっぱね。この……ポアロからの探偵事務所のアオリね。
ちょっと、あの、倒れていい? ダメ? ダメか。
二人は慣れた様子で階段を上って行く。
えっ、えーっ待って無理、ちょっと待て……?
待っ……
「工藤ー!おるかー!?」
(待てぇぇえええ!!)
アホか!アホかこいつ!学習能力!学習しろよ!
慌てて私も階段を駆け上り、勢いのままに事務所を覗き込む。
工藤、いました。
ただしおっちゃんも蘭ちゃんも一緒。固まる工藤。慌てて弁解する服部。馬鹿。
「……何しに来たの? 平次兄ちゃん達」
ふてぶてしい江戸川様の一声により、私はとうとう探偵事務所へと足を踏み入れる事になった。
────当然、「誰?」という視線を立て続けに喰らう。
(それは私が知りたいんだよ……)
そう、そもそも私は、まだ免許証に書いてあった住所へは辿り着いていない。
私としては先にそちらへ向かっておきたかったのだが、「なんなら探偵に調べてもらおう」という名目の元、二人にサイドを挟まれ連行されてきた次第だ。
何度目だよ連行されんの。
「えーっと……そういうわけで、記憶喪失の槻舘 Aです。18歳です」
「先週遠出した帰りに、駅でキャリー広げてたんを連れて来たんや。家がここら辺っちゅうから丁度ええし」
「警察には届けたのか?」
鋭く切り込む毛利のおっちゃん。そうだよねー普通そうなりますよねー。
「警察な、Aさんが嫌やー言うねん。せやから名探偵のオッチャンに依頼したろ思て」
「どうして警察に行きたくないの?」
どき、と心臓が鳴る。身を乗り出して無垢にこちらを覗き込んできたのは、言うまでもなく江戸川コナンだった。
あーこの、この野郎。「どうして」っていう子供の特権利用しやがって。ずるいわ。
「どうして……かな。分からない。そんな気がするから?」
あっやべちょ返答ミスった、これじゃ無意識のうちに警察避けてるみたいじゃん!?
そういうのじゃないよ!?別に警察から逃げてるわけじゃな…………
……無いよね? まさか、まさか……何か犯罪に手を染めたショックで記憶喪失とか無いよね!?
「……ないない……」
「……どうしたの?」
「こっちの話」
いや、普通に有り得ないわ。
だとしたらなんで駅のど真ん中で突然記憶失うんだよ。あほらし。
1722人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もこ - 面白い (10月11日 17時) (レス) id: 67135257cc (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ののいろ系女子さん» ここで……終わってしまいました!<(・`-・`)>バーン ありがとうございます!そうですね、次はちゃんと(?)トリップものにしようかと考えています。よかったら次もよろしくお願いします! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます!こんな打ち切りみたいな終わり方でいいんだろうか……と思っていたのですが、楽しんで頂けたなら良かったです! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - ここで!?でも、これはこれで結構良いわぁ!←何様 黒の組織エンド最高でした!次の作品は、トリップか転生物が見たいなぁって。てへ( ^∀^)← (2019年2月4日 19時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 黒の組織エンドめっちゃいいです!最後まで楽しませていただきました!完結おめでとうございます! (2019年2月1日 8時) (レス) id: f6af1829c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2018年7月28日 19時