Ep14.一人暮らしの記憶 ページ14
「え? Aさんの家ってスカイ米花だったの?」
小さな箸を持つ手を止めて、コナン君がぽかんと口を開ける。
スカイ米花レジデンス────私の住むあの建物は、案の定ここら近辺では他に類を見ない高級マンションだそうで。
「うん……でもAさん、なんだかずっと考え込んでて……」
「……想像してほしいのだけどさ。自分が知らないうちに都内最高峰のタワーマンションに住居を構えてて、それも最上階で一人暮らしだった……この恐怖分かる……?」
ありがたく夕飯の卓につくも私の心は晴れやかとはとても言えず。あ、ご飯作りは私と蘭ちゃんと和葉ちゃん三人で頑張った。
客用の茶碗を置いて、この心境を伝えようと軽く身振り手振りしてみせる。
「ま、まあ……、なるほど……?」
「ほんで、なんか分かったんか?」
「うーん……とりあえず今現在自分がお金持ちってことくらいしか……」
「制服も?」
「制服?」
予期しなかった単語に思わず聞き返す。服部がなんでもない顔で「学生なら制服あるやろ」と答えた。
「……無かったけど……」
「そりゃーそうだろ。あのマンションの最上階に一人暮らしの学生なんざ有り得ねえよ!」
「親が金持ちかもしれへんやろ? 18の稼ぎであそこ住むっちゅう方が不自然や」
「けどさあ、お父さんやお母さんから一週間なんの連絡も無いなんておかしいと思うよ?」
「でもコナン君のお母さん達も海外でお仕事してるんだよね?」
「う、うん……まあね……」
あはは……、と私も誤魔化し笑いをこぼす。
……いや……親と言うかなんというか多分……神様的なね……?
言ったって信じないだろうなぁ……。
……そうだ。
もし私が前の世界のこと、私自身のことを思い出したら、その時は全部話してみよう。
頭がおかしいって思われるかもな。
でもまあ、全部思い出してから隠し続ける方が難しそうだし。
ああ、早く全部思い出したいなあ。
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もこ - 面白い (10月11日 17時) (レス) id: 67135257cc (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ののいろ系女子さん» ここで……終わってしまいました!<(・`-・`)>バーン ありがとうございます!そうですね、次はちゃんと(?)トリップものにしようかと考えています。よかったら次もよろしくお願いします! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - ハルカさん» ありがとうございます!こんな打ち切りみたいな終わり方でいいんだろうか……と思っていたのですが、楽しんで頂けたなら良かったです! (2019年2月6日 19時) (レス) id: 41e8a6fa74 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - ここで!?でも、これはこれで結構良いわぁ!←何様 黒の組織エンド最高でした!次の作品は、トリップか転生物が見たいなぁって。てへ( ^∀^)← (2019年2月4日 19時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 黒の組織エンドめっちゃいいです!最後まで楽しませていただきました!完結おめでとうございます! (2019年2月1日 8時) (レス) id: f6af1829c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2018年7月28日 19時