Ep.7 顔に書いてある ページ7
「どのあたりに越して来たんですか?」
「お喋りな店員さんですこと……」
「ああ、お邪魔だったらすみません。一人でご来店される中学生のお客様は珍しいので、つい気になりまして……」
カウンターを挟んで彼と少し会話を楽しむ。
そして我ながら自分の才能に感服するよ! なんでこんな冷静なの!? いや楽しんでねーし、内心パニック復活してるし!
名探偵コナンの世界に行けたらって何度も何度も考えてた。たとえ被害者になってもいいから、誰かと話をしてみたかった。
今それが叶ってる。やべまた血圧上がってきた。
梓さんは他のお客さんのお会計に回っていて、そうなるとこの店にはもう私しかいなくなる。
なんだこの空間。天国かよ。ここにコナンくんいたら天国通り越して神の領域だよ。
しかし、このあたりから違和感を覚え始めた。
「……お兄さん。まだなにか気になることがある?」
「おや、分かりますか。」
「顔に書いてある」
「まあいくつか、些細なことですが。
ご両親は今頃何をされているんですか?」
「……いないよ」
「……それは失礼……。じゃあどなたか親戚の方のお家に越されて来たんでしょうか」
「いんや、一人暮らし。親の遺産はだいぶあったけど、高校に入ったらバイトして生活しなかゃなんないね」
「ご両親の他に縁者の方は?」
「さあ? 縁を切ったんだって。昔に」
「ほー……」
軽く吹き出しそうになった。いつだったか、「ほーってフクロウの鳴き真似じゃね」と友人に言われてからコナンの登場人物が「ほー」と言う度にそれを思い出してしまうからだ。
だが一方で、感じ取っていた。
……安室さんは何か疑っている?
今のところあたりさわりのない受け答えをでっち上げてはいるが、どうにも油断ができない。何せこいつはトリプルフェイス……どこまでが本当なのか、何が本音なのかわかりゃしないからね。
「ではあなたは親の財産を相続し、16歳……就労者になれる歳まで一人暮らしをすると……後見人はおらず、ある種自立した生活を送ろうとしているわけですね」
「ま、そういうことね。てかお兄さんすっごいずかずか来るね、嫌いじゃないよ」
「はは、それは光栄ですね。ところで……
目元に影を落とし、彼は不敵に笑った。
1414人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chiroru...(プロフ) - めっちゃ素敵な小説でした!ファンになりました♡名探偵コナンで安室さんと怪盗キッドとの三角関係な小説を読んでみたいです!是非ご検討お願いします♡ (4月5日 20時) (レス) id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主のイラスト見ました! かっこいい! (2023年1月8日 0時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 内容がしっかりしてる! 夢主好き💚 (2023年1月8日 0時) (レス) @page10 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
茉佑(プロフ) - 絵上手くないっすか?うらやますぃ(´;ω;`) (2018年5月1日 23時) (レス) id: ff89d68923 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - あぁぁ…画力が神だぁ……画力わけてください、切実に…( ノД`)… (2018年4月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年9月11日 8時