【名探偵コナン】嘘をつくのが趣味なので。【トリップ】

Ep.45 大丈夫か ページ45

朝の日差しに私の意識は呼び戻された。



……まったく、嫌な夢を見たもんだ。



あくびをしながらベッドを降り、キッチンへ向かう。今日は日曜日、ゆっくりしよう。


それでも悪夢明けの朝は憂鬱なもの。暗い夢であるほど、夢の中での気分を引きずってしまうからだ。


今まで忘れていた。けれど、私がここに生きることはそういう事なのだ。


あの夢のことは忘れないようにしよう。……一、いや…………さ、三回忌が終わるまではせめて……。うん……。






ニュースを見つつ朝食を食べ終え、ぼーっと後片付け。そういえば次に起こる事件はなんだったっけと、随分物騒なことを考える。


下手したら今日もなにか起きるのかもしれない……。犯罪都市米花町、恐るべし。


探偵事務所の開く頃にちょっと様子を見に行ってみようか。そう思ったが、まだ時間が早いので街を探検しに玄関を出た。






「お……？」




フラフラとしていたところでたどり着いたのは見覚えのある住宅街で、何よりもっと見覚えのある白い建物が見える。



あれは阿笠邸ではないだろうか？こんな所にあったんだ。


なんなら今度お邪魔してみても面白いかもしれない。哀ちゃんにも会ってないしね！



と、その時。



阿笠博士の家の玄関が開き、小さな人影が出てきた。



赤茶色の髪……あれは、なんということか。噂をすれば影がさす。

他でもない灰原哀であった。



どうやら朝刊と郵便物を取りに来たようだ。門の横のポストの方へ来るので、怪しまれないように会釈する。

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