【名探偵コナン】嘘をつくのが趣味なので。【トリップ】

Ep.37 さすがだなぁって ページ37

「何の話をしてるんだ？」


「わっ、……あ、世良さん！？……だっけ？」




話しかけてきたのは世良ちゃんだった。驚いて振り返ったうっつーが胸をなで下ろす。私もめちゃくちゃびっくりした。だが例によってポーカーフェイスは現役だ。




「いやぁ……しかし驚きだよなぁ。まさか平成のルパンが亀を盗みに来るだなんてさ！」


「そ、そうですよね……」




咄嗟のことだったせいかうっつーの笑顔がぎこちない。私は逆の意味で心臓に悪いからぜひやめてほしいんだけれど世良ちゃん……。



………………というかさ。私は思うんだよ。


もしかしてこの時点で世良ちゃんも気付いてたのではないだろうか？


だってほら……あの世良さんだよ。天下の世良さんだよ()。そう思わない？




「…………世良さん」



「ん？どうしたんだ？」



「もしかしたらだけどあの亀、ポセイドンについて。…………気付いてる？」



「え？ま、まさか………、キミも分かったのか？」





答えの代わりに無言で口角を上げる。



そんな私を見て目を見開いたあと、彼女はフッと笑うと腰を屈めて唇に指を当てた。そして声を潜めてこう言うのだ。





「まだ確信はしてないけど、たとえ本当に偽物だとしたって今はどうにもならないしな……。まぁ鈴木相談役には悪いけど、ボク達だけの内緒だ。いいかい？」





…………無理……イケメン…………。




「……はい…………」





こめかみに指を当てて必死に平静を装いながら私はどうにか返事をした。


それを聞いて世良ちゃんが満足げに笑った時、後ろの方で警察が騒ぎ出した。どうやら"赤面の人魚"一般観覧の時間は終わりらしい。


主に中森警部とか中森警部とかが叫んでいるが、率直に言ってうるせぇ()。





「うっつー、行くよ。私達は関係者じゃないんだから」


「えっ、やーだー！私ここに残るー！！関係者〜！！」


「駄々こねたって知りません。私は先に行くからね。」


「もー！あんたはあたしのおかんか！」


「お前は私の子供か」




まったく、うっつーは言い出したら聞かないタイプだ。

困って遠巻きにしていると「あの……」と世良ちゃんが言い出す。

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