Ep.33 雑だよね ページ33
翌日、土曜日の朝。
私は友達と鈴木大博物館へ赴き、長い長い列に並んでいた。
初日に一人で列に並ぶなんて無理だ。暇で死ぬ。するといい所に、中学校でできた友人から連絡が来たのだった。
「っていうかさ、雑だよね。何これ」
赤茶色の髪を肩まで伸ばした少女にスマホを向ける。これこそ私の友人、内海
うっつーはイヤホンを片耳外して私の差し出した昨日のトーク画面を白々しく覗き込む。
「『明日暇っしょ?キッド観賞付き合え』…………実に簡潔でわかりやすいと思うけどなぁ。桔梗もしかして暇じゃなかった?」
「や、うん。分かりやすいのは否定しないし、暇なのも事実で、私も亀見に行こうとしてた所までまるまる都合良かったんだけどさ。先週転校してきた友達に送るメッセージじゃないからコレは」
「よし、なら問題ないね」
「…………この野郎……」
なぜこんな奴と真っ先に友達になったのか。彼女が趣味で"探偵"をやっていたからだ。
クラスでは有名な切れ者らしく、学内で有名な中学生探偵なのだと聞いた時はさすがにツッコんだ。「自称探偵多すぎだろ」と。
そんなところから興味が湧いて話しかけてみたところ、なんと予想外に息が合い、今に至る。
そのままだらだらと並んでいると、大きな博物館だからかほんの20分程度で入場。中にはさまざまな展示物があり、なんやかんや趣味の合う私達はスムーズに館内を進んでいった。
うっつーは絵画がお気に入りらしく、その着眼点が面白くて私も一緒についてまわる。
……すると、見付けた。
前の方に歩いているのは、江戸川様御一行ではなかろうか。蘭ちゃん、園子ちゃん、世良ちゃん、あと次郎吉じいさん。人混みの隙間にコナンくんも見えた。
あ、また血圧が……ゴホン。
「……あのー、桔梗?桔梗さーん?なにしてんの?」
「…ああ、ちょっとね。知り合いがいてさ」
明後日の方向をガン見しているのに気づいたうっつーが視界を遮るように前に来る。我に返って咄嗟に口をついたのは嘘ではなかった。
……まあ、いいか。
「知り合い?だれだれ?」
「うっつーも知ってる、かもしれない人」
キッドの記事は欠かさず読むという彼女なら見覚えくらいあるだろうと思い、スタスタと彼らに接近する。
奇しくもそこは──例の大水槽の前だった。
Ep.34 相棒なら許可する→←Ep.32 見られないかもね
1414人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chiroru...(プロフ) - めっちゃ素敵な小説でした!ファンになりました♡名探偵コナンで安室さんと怪盗キッドとの三角関係な小説を読んでみたいです!是非ご検討お願いします♡ (4月5日 20時) (レス) id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主のイラスト見ました! かっこいい! (2023年1月8日 0時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 内容がしっかりしてる! 夢主好き💚 (2023年1月8日 0時) (レス) @page10 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
茉佑(プロフ) - 絵上手くないっすか?うらやますぃ(´;ω;`) (2018年5月1日 23時) (レス) id: ff89d68923 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - あぁぁ…画力が神だぁ……画力わけてください、切実に…( ノД`)… (2018年4月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年9月11日 8時