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Ep.23 やっぱり賢いね ページ23

さっきの勢いとは一転、子供らしくおとなしく頷く。



会うのも二度目だからさすがに冷静になれるが、冷静に見れば見るほどすごく可愛いこの子。工藤新一には怒られそうだけど。




「ま、仲良くなった友達の家が反対方向だっただけなんだけどね」




あっけらかんと言い歩き出すとコナンくんが小さく「なんなんだよ……」と呟いていた。聞こえない聞こえない。




しかしそうか、この辺だともう探偵事務所が近いから少年探偵団には会えないのか。



確かに「おう!またな!」って手振ってるシーンとかよく見るもんね。みんなそんなにご近所じゃないのかな?



残念……と考えていたらいつの間にか隣に並んで歩いていたコナンくんが話しかけてきた。





「あ、ところでさー……」





私はそれを横目で見る。



……なんてことないフリをしてるけど、彼をよく観察してきたコナンクラスタにはわかる。



目が鋭くなってるな。






「こないだありがとね、缶ジュース!」



「や、私がお礼言う方だよ。声かけてくれてありがとうね。ほんと助かったんだから……」



「ううん、最初にお姉さんに気づいたのはおじいちゃんなんだ!でも大人が女の子に声をかけると、危ない人って思われちゃうかもしれないから!」



「おお、なるほど?やっぱり賢いねキミ。




っていうかさ……」





にこやかな会話をぶった斬るつもりで、声のトーンをいくつか落とした。その意図にも彼なら気づくだろう。






「──缶コーヒー、でしょ?」







「………やっぱり、わざとだったんだね」






彼の目は隠すまでもなく厳しくなり、それはまるでナイフのような挑発的な光を灯していた。




以前から"この目で詰め寄られる人間はたまったもんじゃないだろうな"と思っていたが、確かに間違っていなかったようだ。油断した暁には一瞬の間に切り裂かれる気しかしない。





私達の足は自然に止まり、たくさんの人々の中で二人だけがその空間にいる。





えっ何それロマンチックじゃーんと私の中のボケ要員がしゃしゃり出てきたが引っ込んでろボケ。








「お姉さん、何者?ただの中学生じゃないよね?」




「やだな。缶コーヒーの一本でそんな大げさな」




「そう思ってるなら、自分からは言わないでしょ」






わかってるくせに、とでも言うような口調だ。……なるほど、クソガキとは言わないまでもこりゃ生意気なガキに見えるわ。

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chiroru...(プロフ) - めっちゃ素敵な小説でした!ファンになりました♡名探偵コナンで安室さんと怪盗キッドとの三角関係な小説を読んでみたいです!是非ご検討お願いします♡ (4月5日 20時) (レス) id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主のイラスト見ました! かっこいい! (2023年1月8日 0時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
- 内容がしっかりしてる! 夢主好き💚 (2023年1月8日 0時) (レス) @page10 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
茉佑(プロフ) - 絵上手くないっすか?うらやますぃ(´;ω;`) (2018年5月1日 23時) (レス) id: ff89d68923 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - あぁぁ…画力が神だぁ……画力わけてください、切実に…( ノД`)… (2018年4月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年9月11日 8時

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