【名探偵コナン】嘘をつくのが趣味なので。【トリップ】

Ep.21 先が思いやられる ページ21

「えっ、薙刀……えっ？」



「ああ、薙刀ね。何年か前に生徒が立ち上げたんだけど、ちゃんと専門の先生もいる部活よ」



「へ、へえ……薙刀部…………」





ふ、普通あるか……？薙刀部……。



しかしながら揺らいでいた。



理由が分かる人もいるんじゃないだろうか。そう、この世界の女は強いからだ。



蘭ちゃんをはじめとしたヒロインたちがとにかくことごとく強い(いろんな意味で)。



女とはいえ役立たずでは命がいくつあっても足りないということなのではないか。となれば、薙刀…………剣道が対人実践で使えるなら、薙刀もいけるんじゃないか？



……いける。いけるぞ、薙刀。









そうと思ってから私はそれについてずっと考えていた。



教室に向かう間もだ。先生がなにか話しかけてくるのをかわしながら部活について考える。





(そもそも薙刀部って何するの……中学生大会とかあんの？そして専門の先生がいることにびっくりだけど……

というか動機が不純すぎる…………いいのかこれで………


…いや不純ではない、命を守るためだもの……自分の……)






「さ、ここよ。みんなと仲良くしてあげてね」



「あ、はい……」





2-3。そう書かれたプレートの前で立ち止まった先生が教室の中へ入る。


とりあえず思考をやめて待っていると、「桔梗さーん」と呼ぶ声がして私も教室へ入った。





……あっ待ってこれ自己紹介するやつだ！！



ちょっと待ってちょっとだけ時間ちょうだい先生。いや時間あったけど違うことばっかり考えてた。



ちくしょう薙刀部のインパクトが強すぎだよ。







「え、えぇっとー……」



「じゃあ一言、自己紹介お願いね」



「アッハイ」






30あまりの人たちの顔を見回しながら、浅くため息をついた。



……まったく、我ながら先が思いやられるぞ。

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