Ep.3 どうにかなる ページ3
ぴっと人差し指を立てて彼は説明を始めた。
「第一に、身の回りの保証はできない。必要な家や資金を用意することは出来るけど、向こうの世界での両親という存在しない人間を突然増やすことは難しいわけ。キミをトリップさせるのは1を動かして1にするだけ、でも0から1を創るのはちょっと面倒くさいの」
「人間関係は何もかもゼロってことね」
「第二に、運命の保証もできない。ただでさえ殺人事件が横行する世界だし、もしかしたらあっけなく終わっちゃうかもね。でも僕ほら下っ端だから、別の世界に行ったキミの運命を操ることなんてできない。それができるのは上の神様だけなんだけど、裏ワザを使ったとバレたらやばいからそれも頼めない」
「……なるほど」
「そして、第三。これだけはよく覚えていてね」
じっと真剣な顔になって三つ目の指を立てる。
私の鼓動は話すうちにだんだん早まっていた。夢に見たことが、叶うはずのないことが、目の前で叶おうとしているのだから。
それでも聞かなくてはならない。あとで後悔しないように。
「第三に、キミが別の世界から来たことを他の人々に知られてはならない。別の世界の記憶を持っていることがバレてはいけない。もし誰かがそれを確信してしまった時……または、キミが誰かに打ち明けてしまった時。
そうなったらキミは死ぬ運命だ。24時間以内にね」
「………………死ぬ……」
「正直なかなか難易度高いし、条件も厳しい。望んだままの人生になるとは限らないよ」
それでもよければ──と言いかけた神様の言葉を、あえて遮った。
「──OK、いいよ。私それやりたい」
「……そう、いいの？」
即答した私に神様は若干意味ありげな表情をする。
だが私は誇らしげに笑ってみせた。
「だってあの世界は特にリアリストばっかりだもの、大丈夫だよ。
いくら頭が良くたって別世界からの侵入者だとは夢にも思わないだろうね」
「…………そ、じゃあそれで行こっか。」
「ってかその裏ワザって私なんかに教えていいの？」
「だって君が言ったんでしょ？神様は気まぐれだって。……頑張ってね、次の人生」
「もちろん！やっぱありがとね、神様。次に会う時はもっと出世しときなよ」
「余計なお世話ですけど！！」
そうして始まる第二の人生。
ただ、この時の私はやっぱり早計だったと思う。
きっとどうにかなる。そう思っていたんだから。
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chiroru...(プロフ) - めっちゃ素敵な小説でした！ファンになりました♡名探偵コナンで安室さんと怪盗キッドとの三角関係な小説を読んでみたいです！是非ご検討お願いします♡ (4月5日 20時) (
レス) id: eb897bce76 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 夢主のイラスト見ました！ かっこいい！ (2023年1月8日 0時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 内容がしっかりしてる！ 夢主好き💚 (2023年1月8日 0時) (レス) @page10 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
茉佑(プロフ) - 絵上手くないっすか？うらやますぃ(´；ω；`) (2018年5月1日 23時) (レス) id: ff89d68923 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - あぁぁ…画力が神だぁ……画力わけてください、切実に…( ノД`)… (2018年4月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2017年9月11日 8時
