【〇〇IのI主役Iは】SECONDｰ我々の日常ｰ Ⅱ【我I々Iだ！】 (ページ24)

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70．悪癖ページ24

少女の眼は、確かに俺を見ている
だが、それは的はずれな滑稽な眼差しだ。

｢Aは誰やと思う？｣
｢…質問で返すのはズルい｣
｢ごめんな。…でも、大人ってのはズルいもんなんやで｣

それに、汚い。
笑って誤魔化すのは俺の悪い癖だ。
乾いた笑いを零して、彼女から目をそらす
彼女は知らなければならない。知る権利がある。
…けれど、そんな勇気、俺には無い。

｢先生…私に隠し事してる？｣

射抜かれるようなそれに密かに身を震わせた
知らないままで居て欲しいのに…。
どうやらそれは叶わないようだ。
だったら俺なりのやり方でやらせてもらおう。

｢…あのな、｣

決して誇っていいものでもないが、この汚い世界を生きてきた魔法の口で、今日も今日とて尻尾を巻いて逃げさせてもらおうか。

｢誰だって隠したいことの一つや二つあるんやで。グルちゃんの話だって聞いたんやろ？まだまだみんなに秘密がある｣
｢……またそうやって、｣
｢シッマにもシャオちゃんにもマンちゃんにもトントンにもロボロにも

＿＿ゾムにも、ね｣

ごめんなゾム。
お前から話したいやろうけど。
逃げ道にさせてもらうで。

あぁ我ながらクズだなぁ、と自身を嘲り笑う

｢聞きたいんやろ？ええよ、話したる｣

とっても可哀想な殺人鬼のお話や。