58.嫉妬 ページ9
目を疑った。
だって2人が手を繋いで走って来るから。
さらに振袖が可愛くて焦る。
「ごめん、おまたせ…」
息を切らして肩で息をして。
そんなつわはす君は申し訳なさそうに呟いた。
未だに手は繋がれている。
クソメガネもまったくその手を気にしていない様子だ。
レトさんに至っては初対面だし、そういう関係か。くらいで片付けて終わらせるだろう。
でも俺は違う。
理由は簡単だ。
この感情は今まで何度か患ったことのある病の1種と言っても過言ではない。
こいつのことが好きだから。
つまり、俺はAに恋をしている。
それだけのこと。
はぁ、はぁと息を整えていた筈なのに、バッと顔を上げた。
そしてレトさんと目が合ったようでお互いがぎこちなく一礼していた。
ってそんなことどうでもいい。
「それ、なに」
いつもよりちょっと低い声が出た。
まさか俺がつわはす君に嫉妬する日がくるとは…。
余裕のない俺は仁王立ち。
キッ、とその手を睨みながら。
つわはす君はP-Pと話してて気付いていないみたいだ。
「えっ、と。走るの辛かったから支えてもらってて…。そっそんなことよりキヨ!久しぶり!!」
……あ?
「そんなこと」だと?
と、怒ってやりたいが、それこそ「そんなこと」したらもう嫉妬してますと言ってしまうような事で。
もちろん言えるはずもなく…、
ただ久しぶりに会えた喜びと可愛さに対する感動?と手についての嫉妬で心の中で葛藤していた。
「……気にしてるの俺だけかよ…」
足掻くように呟く。
なんで誰も注意しない?
はやく離せよ!あー、チョップでもして引き離してやりてー!!
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ぱんだ(プロフ) - はすにゃんさん» ありがとうございます…夢主さんと仲良しなつわはすを本気で書いてみたかったんです……そう言ってもらえて…救われます……!!! (2016年9月23日 19時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - ここのはすくんが可愛すぎる((真顔 (2016年9月23日 2時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - 私がオイアさんの命の源になれてるのなら感激です!wうわぁ、すっごいいい笑顔そうですね……(苦笑い) (2016年3月25日 7時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
オイア(プロフ) - けーわィさん» コメントは命の源なので…むしろこちらこそ、わざわざいつもありがとうございますつД`)・゚・。・゚・。けーわィさんを泣かせるつもりで書いていきますね(笑顔) (2016年3月23日 2時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - シリアスになるんですかっ!!私、感情移入しやすいので泣いちゃったらどうしましょ...。笑こちらこそ、毎度私のめんどいコメントを返してくれてとても嬉しいです!!ありがとうございます(*´∀`) (2016年3月22日 18時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2016年1月21日 20時