検索窓
今日:18 hit、昨日:7 hit、合計:10,752 hit

96.視線と視線 ページ48

「起こしちゃうんだ?俺としては話のひとつやふたつ聞かせてもらいたいんだけどなぁ」

「プチ病み上がりのくせによく喋るな」

「なになにー?俺に話せないことでもあるのー?」

「ねぇよ!…ねぇから早く食え。また冷めちゃうじゃん」

キヨ君は無愛想に温めなおしたお粥を俺の前に置いた。
胡座をかいてテレビをつけ、ふてぶてしく肘をついた。
仮にも俺の家なのに勝手だなぁ。
お笑い番組をつけているにも関わらず、キヨ君はうんともすんとも言わずにぼーっとどこかを眺めている。

「いただきます」

「んー」

…。

嘘つきめ。
なにが「俺が作った」だよ。
ただのAの味じゃんか。

「これ作ったのキヨ君じゃないだろ」

「…あーやっぱ分かるんだ?そりゃそうだよね、つわはす君だもんね」

こっちを見ることなく、彼は相変わらずどこかを見つめたまま言った。
変な感じだ。
嫉妬でも悔しさでもなく、諦め…みたいな。
そんな態度をとられたら変な何かを感じ取ってしまうじゃないか。

「ソイツ、起こさないの?」

「…つわはす君は起こしたいの?」

パチリ。
目と目が、視線と視線が、今。

だめだ。
なんか、これ、だめなやつだ。
だってキヨ君のそんな顔見たことなかったし、見たくなかった。

彼はまた視線をテレビへと戻した。
否、テレビの前に寝転がるAを見つめていた。
そのまま、ゆっくりと言葉を吐いた。









「_____つわはす君はAのこと好き?」

97.愛か恋か→←95.おかゆ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
設定タグ:キヨ , つわはす , 平和組   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱんだ(プロフ) - はすにゃんさん» ありがとうございます…夢主さんと仲良しなつわはすを本気で書いてみたかったんです……そう言ってもらえて…救われます……!!! (2016年9月23日 19時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - ここのはすくんが可愛すぎる((真顔 (2016年9月23日 2時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - 私がオイアさんの命の源になれてるのなら感激です!wうわぁ、すっごいいい笑顔そうですね……(苦笑い) (2016年3月25日 7時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
オイア(プロフ) - けーわィさん» コメントは命の源なので…むしろこちらこそ、わざわざいつもありがとうございますつД`)・゚・。・゚・。けーわィさんを泣かせるつもりで書いていきますね(笑顔) (2016年3月23日 2時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - シリアスになるんですかっ!!私、感情移入しやすいので泣いちゃったらどうしましょ...。笑こちらこそ、毎度私のめんどいコメントを返してくれてとても嬉しいです!!ありがとうございます(*´∀`) (2016年3月22日 18時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ななし | 作成日時:2016年1月21日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。