82.配達 ページ33
私の手がキヨの頬に届きそうな距離にある。
このまま手を伸ばしていいのか?
夢は夢でも…やっぱりキヨに失礼なんじゃ…?
なんて葛藤していると、顔を真っ赤にしたキヨの後ろから声が聞こえてきた。
「…姉さん?キヨさんに何してるの?」
…………えっ?
その声は確かに本物で、私は思わず手をザッと引いた。
そして勢いよく自分をビンタ。
「〜〜〜っ!!」
「「なにやってんの!?」」
とてつもなく痛い。
そんな私を慌てて心配してくれるキヨと宮都くん。
これは間違いなく現実だと、身をもって理解した。
じゃあ出てくる疑問はただ一つ。
「どうしてキヨがここに!?」
まだヒリヒリする頬を擦り、混乱で目を回しながら恐る恐る訊いた。
するとあたふたするキヨを置いて、宮都くんが説明を始めてくれた。
.
部活が終わり、家へ帰ると誰も居なかった。
そして思い出す。
「そう言えば姉さん呑みに行くって言ってたな…」
電車の中でそんなメッセージが届いていた気がする。
ってことはご飯作らないと…。
冷蔵庫の中を確認してみる。
中は食材で溢れかえっていた。
通りで姉さんがリクエストしたものなんでも作れるわけだ。
時間も時間、さっそく料理するか。
適当に作って食べて、勉強していたそんな時。
ピンポーン。
家のベルが廊下に響いて自室まで聞こえてきた。
あれを鳴らすということは姉さんではないはず。
だとしたらこんな時間に誰だ…?
はーい、と返事してパタパタと廊下を駆ける。
扉を開けると、そこには初詣で知り合ったあの人、キヨさんが姉さんをお姫様抱っこをしていた。
目が合うと困ったように眉を下げて笑った。
「お、お届け者でーす…?」
「…はぁ」
そんな者、頼んだ覚えはないんだけど。
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ぱんだ(プロフ) - はすにゃんさん» ありがとうございます…夢主さんと仲良しなつわはすを本気で書いてみたかったんです……そう言ってもらえて…救われます……!!! (2016年9月23日 19時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - ここのはすくんが可愛すぎる((真顔 (2016年9月23日 2時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - 私がオイアさんの命の源になれてるのなら感激です!wうわぁ、すっごいいい笑顔そうですね……(苦笑い) (2016年3月25日 7時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
オイア(プロフ) - けーわィさん» コメントは命の源なので…むしろこちらこそ、わざわざいつもありがとうございますつД`)・゚・。・゚・。けーわィさんを泣かせるつもりで書いていきますね(笑顔) (2016年3月23日 2時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - シリアスになるんですかっ!!私、感情移入しやすいので泣いちゃったらどうしましょ...。笑こちらこそ、毎度私のめんどいコメントを返してくれてとても嬉しいです!!ありがとうございます(*´∀`) (2016年3月22日 18時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2016年1月21日 20時