検索窓
今日:21 hit、昨日:7 hit、合計:10,755 hit

70.幸福 ページ22

「キヨ!!!!」

人混みの中、俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
声のする方に目をやると、走りにくそうな着物のくせに息を切らしながら懸命に俺の名前を呼ぶ、
君がいた。

はぁ、はぁ。
肩で息をしながら汗を拭って、顔を上げた。

「良かった!やっと見つかったぁああ…!」

言葉が出てこない。
俺は逃げたのに、君は追いかけて来てくれた。
それがどれほど嬉しいことか。

「あれっ宮都くん!?どうしてキヨと…?まぁどうだっていいや!とにかく見つかって良かった」

「姉さんこそどうしてここに?つわさんたちは?」

「えへへっ 抜け出して探しに来ちゃった」

その太陽みたいな笑顔、つわはす君にも見えているのだろうか。
いちいちこうやって嫉妬を並べては胸を痛めた。

でも今は何故だか嫉妬に負けないほどの幸福が胸の中にあった。
彼女は来てくれたのだ。
こんな俺なんかのために、必死になって。
くだらない嫉妬なんかして折れそうになってた筈なのに…。
今じゃなに女々しく情けないこと言ってたんだ俺は!
と、自分を平手打ちしてやりたくなる気持ちでいっぱいだ。

「抜け出したって…つわさん達心配してるんじゃない!?」

「あははー☆ 大丈夫だって!ほら、スマホにだってなにも……oh......」

宮都君の行き詰まったような顔に困った笑顔で笑っていたくせに、
スマホを手に取って見た瞬間に笑顔が消え青くなった。

「!? めっちゃ心配してんじゃん!!早く今から戻るって返信しなって!」

「あれ…おかしいな…つわなら分かってると思ってたんだけど……」

「うわっ俺の方もすごいきてる。電池少ないから今はいいや、お前ので俺の分もよろしく」

71.過信→←69.葛藤



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
設定タグ:キヨ , つわはす , 平和組   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱんだ(プロフ) - はすにゃんさん» ありがとうございます…夢主さんと仲良しなつわはすを本気で書いてみたかったんです……そう言ってもらえて…救われます……!!! (2016年9月23日 19時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - ここのはすくんが可愛すぎる((真顔 (2016年9月23日 2時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - 私がオイアさんの命の源になれてるのなら感激です!wうわぁ、すっごいいい笑顔そうですね……(苦笑い) (2016年3月25日 7時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
オイア(プロフ) - けーわィさん» コメントは命の源なので…むしろこちらこそ、わざわざいつもありがとうございますつД`)・゚・。・゚・。けーわィさんを泣かせるつもりで書いていきますね(笑顔) (2016年3月23日 2時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - シリアスになるんですかっ!!私、感情移入しやすいので泣いちゃったらどうしましょ...。笑こちらこそ、毎度私のめんどいコメントを返してくれてとても嬉しいです!!ありがとうございます(*´∀`) (2016年3月22日 18時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ななし | 作成日時:2016年1月21日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。