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59.アホヅラ ページ11

「あ、ありがとう…ございまし、た…」

羞恥心と喜びで顔が真っ赤だと自分で分かるほど熱い。
だから下向いてお礼を言った。

「…つわはす君じゃなくて悪かったな」

拗ねたようなキヨの声に思わず顔を上げる。
案の定、彼はそっぽを向いてしまっていた。
…あ。
そうか、私がさいしょつわだと勘違いしてそれを声に出しちゃったから…。
そりゃそうだよね。
善意で助けたのに人違いでお礼言われるとか、嫌だよね…。

でも違うの、そういうことじゃなくて…。

この気持ちを言葉にしてキヨに伝えないと。
離れた彼の心臓の音を確かめるように、こんどは事故じゃなく、自分から抱きついてみる。

「!?ちょ、は?」

「違うの、つわが良かったとかじゃないよ。キヨで嬉しい助けてくれてありがとう」

「…うん」

ぎゅう、と込める力を強くする。
やっぱりキヨの心臓はバクバクと大きな音をたてていた。
私もいっしょ。
それがなんだか嬉しかった。

「あの〜?お2人さん、急に抱き合ってどうしたの?」

突然聞こえてきたつわの声で我に返った。
!?
私いま何をしでかした!?

ハッとして慌ててキヨから離れる。
あああ!

「ごっごごごごめん!!今のは、そのっ…違うよ!?えっと…あれ?」

うまい言い訳が見つからず、1人でアタフタする。
キヨも何が起きたのか分かっていないのか、頭の上に?を浮かべてアホヅラしてる。

「はいはい。もういいから行くよー?つわはすさんその2人どうにかして」

「俺に投げやるな、Aならまかせて」

つわに落ち着け、と小突かれる。
やっと正気に戻れた気がした。

「ああ、ありがとう…つわ」

「うん」

私…キヨを抱きしめた。
成り行きで無意識にだけど…あのキヨを。
興奮は無くなりそうにないけど、大丈夫。
顔には出してないはず。

「隠せてないからな」

「エスパーですね分かります」

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設定タグ:キヨ , つわはす , 平和組   
作品ジャンル:恋愛
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ぱんだ(プロフ) - はすにゃんさん» ありがとうございます…夢主さんと仲良しなつわはすを本気で書いてみたかったんです……そう言ってもらえて…救われます……!!! (2016年9月23日 19時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - ここのはすくんが可愛すぎる((真顔 (2016年9月23日 2時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - 私がオイアさんの命の源になれてるのなら感激です!wうわぁ、すっごいいい笑顔そうですね……(苦笑い) (2016年3月25日 7時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)
オイア(プロフ) - けーわィさん» コメントは命の源なので…むしろこちらこそ、わざわざいつもありがとうございますつД`)・゚・。・゚・。けーわィさんを泣かせるつもりで書いていきますね(笑顔) (2016年3月23日 2時) (レス) id: 8b96d1c041 (このIDを非表示/違反報告)
けーわィ(プロフ) - シリアスになるんですかっ!!私、感情移入しやすいので泣いちゃったらどうしましょ...。笑こちらこそ、毎度私のめんどいコメントを返してくれてとても嬉しいです!!ありがとうございます(*´∀`) (2016年3月22日 18時) (レス) id: 95ee1db05a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし | 作成日時:2016年1月21日 20時

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