【実I況I者】それはきっと、【キIヨ】II

50．ほっこり ページ2

それからというもの、仲良さげに先を歩く2人を見ながら後ろを歩いた。
そろそろ俺の心が折れそうだ。

｢え、キヨもあれ好きなの？｣
｢お前も？マジか！いいよなあれ！｣
｢うんうん！｣

…ま、アイツらが楽しそうだし、いっか。

｢２人とも、そろそろどっか行かない？｣

ブラブラ歩いてるだけで時間経っちゃってるんだけど？
そう思って２人に問いてみる。
…あ。
これ話すのに夢中で聞いてないやつだ。

｢あーもういいや。俺帰るぞー｣
｢！？ どうしたのつわ！？｣
｢お前ら俺居なくても楽しそうじゃん｣
｢拗ねるな！！つわ居なくちゃ楽しくないよ！｣

そりゃ拗ねるわ！！
…なんて言い返す気にもなれず、はいはい、と適当に返す。

するとキヨ君が少し不機嫌そうな顔をした。
面白いかも、これ。

｢…本当かよ｣
｢本っ当だよ！つわ居ないと私寂しくて死ぬよ！？｣
｢へ〜｣

キヨ君の反応が楽しくて、ついニヤけそうになる。

｢はいはい。もういいからキヨ君構ってあげて｣
｢んだよその言い方〜！別にいいわ｣

あれだけ不機嫌そうだったのに、すぐに笑った。

｢もう仕方ないですね！私が構ってあげます！｣
｢いらねーわ！｣

…あ、嬉しそう。

そんな２人を見て心がほっこりと和んたのは秘密。

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