【実I況I者】それはきっと、【キIヨ】II

49．親目線 ページ1

｢______いないよ｣

キヨ君は、確かにそう言った。
隣に座る後輩の顔がほころんだように見える。
分かりやすい奴だな、と少し苦笑。

｢そうなんですか！それこそ意外ですよ｣

めちゃくちゃ嬉しそうに笑っている。
キヨ君もよくここまで好き好きオーラ出されて気付かないよな…、なんて呆れる。
コーヒーを飲むと、少し苦いいい香りが口いっぱいに広がった。

｢だぁっ！この話やめようぜ？なんかやだ｣
｢奇遇ですね私もです｣

急にとまった｢好きな人｣の話題。
…うん。
やっぱり2人は両想いだろう。
さっきのあーん攻撃もキヨ君にはなかなかのダメージのはず。
人前では禁止令出してたけど、やってみて良かった。
そこまで考えて、嬉しくなった。

良かった、コイツの恋が叶いそうで。

｢でね、その時つわが…｣
｢マジかつわはす君。そんで？｣
｢えっとそれから〜｣

考え事してて特に聞いていなかったが、俺の話題？なのか？
やめろよせっかく両想いっぽいのに。

｢俺の話はいいから。お互いのこと話してろ｣

コツっとAを小突く。
すると、はーい。なんてやる気無さそうに返される。
だけどきっと内心俺に感謝してるだろうな。
何年も一緒にいたからそれくらい分かる。

とうとうコイツにも彼氏が出来るのか。
ちょっと寂しい気もするけど、素直に嬉しかった。

50．ほっこり→

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