5．いらっしゃいませ ページ6
ゲームセット完了！
あとはみんなが来るのを待つだけ。
楽しみだな〜久々のコラボ！
｢A？なにニヤニヤしてるの？｣
｢!? ってなんだお兄ちゃんか…びっくりさせないでよ！それにニヤニヤなんかしてない｣
｢してたべ？こう…ニヤニヤ〜って｣
それ私を真似てるつもり？
全っ然似てないし！
ぷいっとそっぽを向いて、ゲームのコントローラーのボタンの接触を確かめる。
｢キヨ兄たちとコラボ撮る予定なの！だからあと少しでキヨ兄と牛兄とレト兄が来るの｣
｢なにそれ俺聞いてないんだけど｣
｢そりゃ言ってないもん。毎回コラボにお兄ちゃんが居たらいい加減本格的に兄妹だってバレちゃうじゃん！｣
最近少しずつ勘づかれてるのに…。
みんなに危機感を持てって言われちゃったんだよね。
｢にしてもひどい！俺も誘え！｣
｢無茶言わないでよ！！4人用のゲームなの！だめ！！｣
｢じゃあそのシリーズ終わったら次俺とやってくれる！？｣
｢もちろんだよ！！！｣
なんて話をしていると、家のチャイムが鳴った。
きっとキヨ兄たちが来たんだ！
部屋にゲームとお兄ちゃんをほっぽって、バタバタと階段を駆け下りる。
｢…とりあえずお茶でも出すか｣
お兄ちゃんもゆっくり降りてきて、台所へと向かった。
ガチャり。
｢おはようAちゃん、元気だった？｣
｢牛兄！おはよ〜元気だったよ！なんだかんだ久しぶり〜！｣
真っ先に入ってきたのは牛兄こと牛沢。
こうしてまったり過ごせる休日に会えたのは実に1ヶ月ぶりだったりする。
そしてその後ろからひょこっと顔を出したレト兄が目をカッと開いて言った。
｢ちょっとAちゃんオレには！？｣
｢レト兄もおはよ！今回はコラボ企画立ち上げてくれてありがとう！待ってたんだよ！｣
｢よしよし。いい子いい子｣
乱雑に頭を撫でられる。
…？
なんか重いんだけど。
ちらりと上を向くと、レト兄の手にキヨ兄の手が重ねられていた。
なるほど、上から圧をかけられていたのか。
｢こんちゃーすどうもレトルトと申しマース｣
｢はいはい下手下手。オレそんなに声キモくないよ｣
｢いやいや似てるっしょ｣
｢似てないよ、キヨ兄の方が三割増し声キモイ｣
｢ﾝだとこのやろ｣
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作者名：ななし | 作成日時：2017年2月9日 1時
