希望の代償 ページ36
｢カルメン？いないの？｣
エリヤの惨劇の起きた部屋を抜けると廊下ではなく一つの部屋に着いた。
｢鍵もかけないで不用心な……｣
……ここは、もしかしなくともカルメンの部屋だ。
……嘘だ、やめろ、やめろ！！
この記憶を観る心の準備なんか出来てない……！
｢水の音……？｣
この日、私はカルメンと話でもと思い彼女を探していた。
しかし、彼女は見つからず、結局私は彼女の部屋の前で行ったり来たりを繰り返していた。
ドアベルを鳴らしても返事はなく、
入れ違ってしまったものだと思っていた。
だが、まぁ、折角彼女の部屋の前まで来たのだ、と思い一応ドアノブに手を掛けてみる。
まさか開かないだろう、
そんな予想とは裏腹に思っていたより軽くドアノブは周り私を部屋の中へと誘った。
そして、電気の消えた部屋の中今に至る訳だが。
カルメンはバスルームにいる。
彼女は、彼女だったものはバスルームに。
私の身体は惹かれるようにバスルームへと向かうと、
胸騒ぎを感じたからか躊躇うことなく扉を開いた。
ゆっくりと開く扉の先にまず見えたのは
浴槽にしなだれかかるカルメンの姿だった。
｢カルメン……？｣
次に目に飛び込むのは真っ青、いや真っ白な血の通っていないかの様な腕。
最後に映ったのは、真紅の池。
赤い霧が溶けだしたかのような浴槽を、
私は暫く呆然と眺めるしかなかった。
私は、これは1体なんの嫌がらせかと思った。
赤い水と真っ白な女性。
足元にカッター。
出来すぎている。
カルメンは、カルメンは希望に耐えきれなかったのだろうか。
｢あぁ……｣
小さく私の口から嗚咽が溢れる。
｢ぁぁぁああ……｣
目を覚ましてくれ。
私はまた救えなかったのか。
｢ああああああああああああ！！！！｣
コギトの釣瓶として適任であったカルメン。
しかし、計画の第1人者がそんな危ない橋を渡れ
るわけもないく、それは机上の空論として片付けられる。
それでも、カルメンの他に釣瓶になれる適役はないわけで、
彼女に対する期待といえば聞こえのいい盲信が責任となって彼女に重くのしかかっているのは分かりきっていたことであった。
おまけに、確かその前にティファレト君の前身であるエノクが幼いながらもコギト実験の被検体となり亡くなって時間は経っていないはずだ。
コギト、それは人々の希望が無い、という病気を治すはずのもの。
それが、今や彼女の希望を絶望にかえ、
昏睡状態に陥らせているとは皮肉なものである。
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怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - 紅夜赤猫さん» ひぇっ見つけていただきありがとうございます……！ご期待に添えればいいのですが……！こちらも好きです！！(！？！？) (2020年6月14日 7時) (
レス) id: a3e985f800 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜赤猫(プロフ) - ないだろうな.......とか思いながら探してたら神を見つけました。称えます。ゆっくり読ませていただきます。好きです（？） (2020年6月13日 22時) (レス) id: 65e183dcbc (このIDを非表示/違反報告)
ねこねここねこ(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» いえいえ、暗い雰囲気だから好きと言うわけではないから全然大丈夫ですよ！！頑張ってください！！！(こちら返信不要です！) (2019年10月26日 11時) (レス) id: 8dfe7db7a7 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - テンパりすぎて文章が可笑しくなってしまった……すみません (2019年10月26日 8時) (レス) id: 970d62df08 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - ねこねここねこさん» ありがとうございます……!!恐らくヒロアカ編では明るい雰囲気にするつもりなので、もしかしたらご期待に添えないかもしれませんがこれからも頑張りますのでお願い致します (2019年10月26日 8時) (レス) id: 970d62df08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怒らないで委員会会長mAKA | 作成日時：2019年10月8日 17時
