私にとって守るべきもの ページ27
「私は……」
懺悔の言葉が尽き、項垂れた彼女の前で我を忘れて語りかけていた。
「私は……貴女が羨ましいわ……」
その言葉に顔をあげる彼女。
「羨ましい……私が?」
信じられない、というような顔をする。
「そう、私には守りたいものなんてできたことが無かった。
大切なものが無かった。空虚だった。
確かに私がSCPを管理していたのは世界の人を守る要因となっていたかもしれない。
でも、私にはそれはただの結果論にしかすぎなかったの」
彼女の悲痛な顔がどんどん和らぎ、こちらの話に耳を傾けてくれる。
「いつ誰が死ぬかわからないなかで、自分の命を優先するしかなかった。
その点で、貴女はとても素晴らしいわ。
私ね、やっと、やっとここに来て守りたいものが出来たの。
セフィラたちと……そして、貴女よ」
「私?私が守りたいもの……?」
言われたことがないかのように、馴染みがないように目を丸くする彼女。
先程まで浮かびかけていたハートはもう見る影も無かった。
「貴女と話していて気がついたの、
私、貴女たちと別れたくない。やっと出来た友達のような存在なの。
でも、だからこそ彼女たちの夢を守りたいの。夢を守るには、私は邪魔なの。」
思えば、ビジョンときいて思い浮かべたのは自室だけだった。
場所のビジョンと言われたから、という可能性もあるが恐らく思い出、と言われても人に対する思い出など片手で事足りる程しかない。
私は物にこそ愛着はあれど、人には無かったのかもしれない。
強いて言うならAICの
それが今じゃどうだろう。
思い出という言葉に紐付いてくるのは、
しっかり者でいつも見守ってくれていたアンジェラ。
おっちょこちょいだが真面目なマルクト。
優しく心配性のホド。
不真面目だが根は優しいネツァク。
毒蛇と言われつつも責任感の強いイェソド。
毒舌だが年相応な可憐さをもつティファレトちゃん、
おっとりと、でも冷静なティファレトくん。
コーヒー好き同士で良く話したケセド。
過激だが自己犠牲の精神のあるゲブラー。
淡々と、だが語りかけるように話してくれるビナー。
腰が低く、でも年を感じさせぬ強い光を宿したホクマー。
皆の姿だった。
皆、十人十色を模したかの様な性格で一緒にいて幸せだった。
私には分かる。
「この別れは、私の元いた世界からここに連れてこられた時よりも悲しいものになる……」
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怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - 紅夜赤猫さん» ひぇっ見つけていただきありがとうございます……！ご期待に添えればいいのですが……！こちらも好きです！！(！？！？) (2020年6月14日 7時) (
レス) id: a3e985f800 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜赤猫(プロフ) - ないだろうな.......とか思いながら探してたら神を見つけました。称えます。ゆっくり読ませていただきます。好きです（？） (2020年6月13日 22時) (レス) id: 65e183dcbc (このIDを非表示/違反報告)
ねこねここねこ(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» いえいえ、暗い雰囲気だから好きと言うわけではないから全然大丈夫ですよ！！頑張ってください！！！(こちら返信不要です！) (2019年10月26日 11時) (レス) id: 8dfe7db7a7 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - テンパりすぎて文章が可笑しくなってしまった……すみません (2019年10月26日 8時) (レス) id: 970d62df08 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - ねこねここねこさん» ありがとうございます……!!恐らくヒロアカ編では明るい雰囲気にするつもりなので、もしかしたらご期待に添えないかもしれませんがこれからも頑張りますのでお願い致します (2019年10月26日 8時) (レス) id: 970d62df08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怒らないで委員会会長mAKA | 作成日時：2019年10月8日 17時
