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仕事に力を入れれば必然的に地位も上がり父は以前よりも権力が増えた。
そんなある日
今まで父のことを敵視していた派閥は裏社会のボスと手を組んで近いうちに父の地位や財産を狙って何かしら仕掛けてくるだろうといった内容を耳にした。
政治家の父を持てば"裏社会"と聞けばどのような人達なのかだいたいは検討がつく。
政治家は裏社会の人間にバックアップされることが日常茶飯事にあるというのも知っていた。
そんな裏社会と手を組めば何をしてくるかも大体把握出来た。
狙いは父の地位や財産だから何か悪い情報をメディアに流したり、直接父と裏社会の人間が会い脅し父の活動を制御する…
わたしにはこれくらいしか考えられなかった。
母が亡くなってから私の唯一の家族である父は仕事ばかりしていた
そのせいなのか、この世界にわたしひとりだけになってしまった…そんな孤独感を味わうことがあった。
だからか、
裏社会がどうのこうのと聞いた時も危機感が持てず
仕事が減ればお父さんに会えるかな?
なんて生温い考えをしていた昔の私をぶん殴ってやりたい。
裏社会がそんなに甘いものか?と。
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作者名:みぬ | 作成日時:2020年6月12日 0時