逃げられない【TH】 (ページ25)

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『んんっ』

目を開けると3年前の記憶が蘇る景色だった

ガバッとベットから起き上がって辺りを見渡すとやっぱり家の自分の部屋だった

昨日あの後色々事情聴取を受けて家に帰って寝たことを忘れていた

ベットから降りて3年ぶりの自分の部屋をじっくりと見る

記憶の中と全く変わらないままだった

そして部屋を出る時、伏せてあった写真立て元に戻ししっかり写真が見えるように置いた

そこには本当の笑顔で映る私と母と父がいた

父〔A起きたか〕

父は見ていた新聞を読む手を止めて私に目を向け

『お父さんテヒョンは今どこなの』

わたしが今から何を言うのかまるで分かっていたかのような顔をして

父〔まぁ、ここに座りなさい。

暖かい紅茶を持ってくるからね〕

優しい笑顔を見せたお父さんはそういうとソファーに私を座らせてキッチンに消えていった。

カチャンッ

机の上にティーカップを置いた父は軽く息を吐いて

父〔あの子はAのためなら自分はどうなってもいいと言っていた。〕

そういうテヒョンの姿が思い浮かんで昨日あれだけ泣いたのにだめだ、また視界がぼやける

父〔ソクジンを裏切った時点で、ソクジンが捕まらなくともあの世界から排除されていたはず。

それにソクジンを警察に身柄を任せたとしてもあのグループに居たという、君の監視係だったという証拠があるからテヒョンくんも一緒に警察に行くことになる。〕

そうだ

どのみちテヒョンの身は警察のもとか、ソクジンらによって消されるかのどちらなのだ

『てことは、テヒョンは今警察に…？』

私がそういうと深く頷いた

『でも私がこの人に助けられました！そう言えば早く出れないの？』

すぐとは言わずとも刑が軽くなると考えた

父〔きっとあの子はそれを望んでないよ〕

私の思考は止まってしまった

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