【2j3j】愛の窒息死

浮気 【短編集】kne ‎𖤐リクエスト ページ11

︎❤︎ "なにこの匂い"




「ただいまぁー」


夜の22時。付き合って2年の叶が帰ってくる時間。


『おかえりー』


出迎えるために小走りで玄関に向かう。


『、、？』


ふわっと香る私のでもない、叶のでもない女物の香水の匂い。

そしてどこか、覚えのある甘い匂い。


まさか、と思ったがさすがにあの叶が、？と思ってしまう。


その日は気づかないフリをした。そう。"その日も"



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まただ。


昨日と同じ甘い香りに思わず顔を顰める。


生憎、私は甘い匂いが苦手だ。

それは叶もだと勝手に思っていた。

だって甘いの苦手って言ってたし。

てかこの香水、ほんとに誰のだっけ、、


『叶、今日って何してたの？』


向かい合って夜ご飯を食べている時にそう聞く。


一瞬。一瞬だけ焦ったような顔をしたのを私は見逃さなかった。


『...今日？今日は普通に収録！葛葉と！』


そうなんだお疲れ様、と笑いかければ気まずそうに笑い返される。


これは何かあるな、と察するまでに時間はかからなかった。



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"葛葉ーちょっといい？"


気づけば即行動派なので叶がお風呂に入ってる間に幼なじみの葛葉に電話をかける。

多分、この人がいなかったら私は今、叶と付き合っていない。

"なに"


"今日って叶と収録だった？"


これで収録じゃなかったらほぼ黒でいいだろう。

打つ手が震え、何回も打ち間違えた。

好きだから、叶が好きだから。

収録でした、って言って欲しい。



"今日？今日は普通にオフ。俺さっき起きたし"


スルッと手からスマホが抜け、音を立てて床に落ちる。



涙で視界が歪む。


収録じゃなかったんだ。


嘘だったんだ。


"なんの音？www落とした？www"


なんでもない、と言おうとするためにスマホを拾う。



"てか叶、最近..."






『は？』

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