雷鳴具して恋に落つ。 (ページ16)

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15話ページ16

それから数日。

「A、パスポートある？」

「…？一応あるけど…」

このがくとの家に来て、作らされたし。

「よし。OK！飛行機乗るから支度して。荷物は1週間分くらいかな。」

いきなり。

その衝撃に、私は暫く身動きが取れない。

「A、聞いてる？飛行機乗るから準備して。」

「はぁああ！？無理！！飛行機とか無理！！」

私が飛行機など乗ったことあるはずもなく、得体の知れないものは怖い。

第一落ちたらどうするんだ。

なかなか支度をしようとしない私を見て、がくとがにやつき始める。

「A、早くしないとキスするよ？」

そう言ってだんだん距離を詰めるがくとと、ライブの中のがくとが重なる。

がくとの歌声…音が頭を巡る。

ドキドキする。

…何故？

私の心臓の鼓動は、高まっていた。

「A」

気づけばもうがくとは目の前。

「わ、わかった！！…支度してくる…。」

こうして、私、初海外行きが決まった。

因みに、その後の飛行機。

「落ちる落ちる落ちる落ちるっ！！！」

「落ちないって。A深呼吸して。ほら。怖くないから。」

プライベート空間に、私の叫び声が響く。

「無理無理無理無理！！！」

「はい。離陸ー。」

「あああああああああ！！」

そして、がくとに抱きしめられていた。

……できればもう乗りたくない。

「慣れれば大丈夫。」

……。

「乗らないと帰れないからね。」

……。