雷鳴具して恋に落つ。 (ページ15)

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14話ページ15

作ったものを一度帰ってきた佐々川さんと大和さん、私で食べたその後の午後。

「…何をしたら良いのかわからん…。」

午前中に習った料理を練習するにも、食べる人は居ないし、食材はないし、お金もない。

この家のものは自由に使って良いとは言われたものの…。

とりあえず、洗濯と掃除をしてみる。

3時間経って終了……。

家…広いな。

がくとが帰ってくるにはあと2時間ほどか。

リビングで何をしたら良いのか考える。

そんな私の目に、テレビのまわりに収納された沢山のDVDが映った。

そう言えば佐々川さんが、これは全てがくとが出演したテレビや、ライブが記録されていると言っていた。

私は徐ろに一枚取り出し、テレビに映し出す。

「…何これ…。」

そこに映っていたのはとてもキラキラしたがくとで。

今まで殺すためにあんなに調べていたはずなのに、こんなに違って見えるとは思わなかった。

がくとのライブ。

私の目に焼きついた。

…かっこいい。

まわりの仲間と音を紡ぐがくとは一生懸命で、楽しそうで、生きていた。

何をしたら良いかもわからず、将来の夢も生きる目的もない私にはとても眩しく、魅力的で。

その日から、私はがくとがいない時はもっぱらこれらの沢山のDVDを観るのであった。