ひと恋

カイside ページ18

大学の帰りに、買い物しようと
ぶらぶらしていると、後ろから、









？「かいく〜ん！」









と呼ばれた。
誰だ？と思うと
知らない女。









「すいません、どちら様ですか？」
そう怪訝な顔をして聞くと、









？「ひっど〜い！！授業同じだったじゃん！○○だよ〜」









どっからそんな声出してんだこいつ…。
……うん。苦手なタイプ。









まあ、あいつ以外に好きなやつとか、できたことないんだけどね。









そんなことをおもいながら、無視して歩いて行こうとすると









？「カーイくん！まってよー！」
そういってなれなれしく腕を組んでくる女。
すでに名前なんておぼえてない。









やめてくんない？
そう言おうとした時だった。









『…………え？』









かすかだったが聞こえた。聞き間違えるはずがない。
だって大好きなあいつの声。









「あ。A！……………あ。」








呼んだと同時に、隣にいるやつを見るAの視線に気づいた。








あー、絶対勘違いされた…最悪。









勢いよく走り去っていくA。








「あっ！A！！！！まって！！！！」
けど呼んでも振り返ってくれない。








追いかけたいのに、
ねえ？あの子誰なの？としつこく聞いてきて、腕をずっとからめたままの女。








「ほんと離してくんね？俺、あんたのこと知らないし。あとお前のこと、眼中に入れることとかもないと思うんで、もう話しかけんな」
そう強めに言って、駅のほうへと走っていく。






誤解解かなきゃ。




その一心で足を動かす。

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