ひと恋 (ページ49)

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カイside ページ49

「あーーーー！たくさん買えた！！！満足！！！！」

なんとなく、もやもやは残っているが、
買い物中は忘れることが出来た。

リ「いやー、助かった、まじサンキュ！」

２人で両手に袋を持つ状態。
お互い満足できる買い物が出来た。

「ありがとな、リョウガ」

リ「え？いきなりなに？(笑)なにか企んでる？？？」

こういう所もこいつらしい。

「うん。やっぱなんでもないや。」

リ「え、ちょ、ま、もっかい！もっかいいって！！！！」

「やだ！！！！無理！！！！！てか引っ付くな！！！！」

２人でギャーギャーしてると、
ふと視界に見慣れた彼女の姿。

「え？A？」

リ「あ……………」

リョウガも気づいたみたい。

隣には知らない男。
仲良さげだし、なんか距離近くね？

「まって、ちょっと今混乱してる、リョウガ、俺今パニクってる。」

リ「わ、わかった！わかったから！一旦、えっと、ベンチ座ろう！！！！！」

頭が真っ白の状態のまま近くのベンチに腰掛ける。

あれは………………

「彼氏…………？彼氏出来たのか、いや、いたのか？」

「わかんねえ………………」

頭を抱える。

隣で意を決するリョウガ。

リ「なあ、カイ？」

リョウガに呼ばれて、顔を上げる。

リ「やっぱりちゃんと話すべき。あの男のこと聞くのも、誤解解くのも。」

俺は静かにリョウガの言葉に耳を傾ける。

リ「だから、今日話してこい。そうしなきゃお前絶対話さないし、後悔するよ。」

「え、でも今一緒にいたじゃん……。帰ってこないとかあるんじゃない…………？」

そんなこと考えたくないけど、彼氏だったらあり得なくない。

リ「いや、コーイチだから、絶対帰らせる。」

そうだ、あいつ、密かにシスコンだった。←

「でも………」

リ「そうやってずるずる逃げる気？カイらしくない」

ズバッとリョウガに言われて、なにも言い返せない。

けど確かにこのまま逃げっぱなしもやだ。

よし。

「俺今日ちゃんと話すわ。」

そう決めた。