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「じゃあ、なんなん?答えてーや?」


「そ、それは....っ、!」


俺は遂にブチ切れて怒鳴ってしまった


「なぁ、隠し事はやめてや!!もう三年たってんねんで!時効やろっ!?」

「坂田っ!」


「二人は知っててなんで、俺が知らんの!?俺がもってんねや!!捨てたって、なにしたってええやろっ!?」


「落ち着けって!」


「落ち着けるわけないやん!月ラジだって、知らん奴の名前あるし!なんなん?なにがしたいん!?」



そこまで言ってしまってハッと我に返った

やってしまった、と


俺は記憶がない。だから大事なものもあまりよく覚えてない

それを紡いでくれてたのは二人だ


「ごめん。ちょっと頭冷やしてくる」


「さ、坂田?」


止める声も聞かずに走りだした


今は一人になって考えたい

その一心で周りの景色見ずにとにかく遠くへ走った


ふと周りを見ると、誰もいない


知らない景色

遠くへ来すぎたみたい


すると、コンビニがあった

なにか二人の好きなもの買って帰ろう


そう思い前へ歩き出した


あまり前をよく見ていなかった




だから、信号の色がわからなかったんだ




「さかたっ!!!危ないっ!!!」




大きなクラッシュ音とともに聞こえた声




隣を見るとすぐそこに大型トラック


死ぬと悟った俺は目をぎゅっとつむり、痛みを覚悟すると



ドンッと、背中に大きな痛みが


前のめりに転けてしまったと思ったら



ドンッ!



なにかがぶつかった音と、割れる音



振り向くと____________





───────▼





家に材料がなくて、久しぶりコンビニ弁当にしようとコンビニに向かっていた

すると、遠くの方に信号が赤にも関わらず横断歩道をゆっくり歩く男の姿が


危ないと思い、走って止めに行こうとすると、懐かしい後ろ姿



坂田だった




特徴的な赤茶の髪色

俺より高い身長

夜の景色と同化してしまいそうな服の色



坂田は変わってなかった
 



ふと横を見ると大型トラックが向かってきている

このままでは、3年前の夢と同じようになってしまう




目の前で最愛の人を見殺しにできるわけない






俺は自分の命に目もくれず、一直線に坂田の背中に向かった





「さかたっ!!!危ないっ!!!」






背中に体当たりする



そのすぐあとに体に激痛が走る



「っあ!?」




バタンッ、と、跳ねられた




坂田が焦ったようにこちらへ向かってきて、抱きかかえる




「おいっ!なにやっとるん!?」




久しぶりに聞けた。坂田の声





────


そろそろ終わるっ!

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何億人の一人 - 泣きました。大号泣しました。家に一人だったので声をあげて泣きました。忘愛症候群はたくさん見てきましたが、初めて泣きました。こんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます。 (2021年5月16日 13時) (レス) id: bf544a01ad (このIDを非表示/違反報告)
羅愿 - イヤー泣くわこれうらさんが忘れられるって悲しい( ;∀;)最初から最後までずっと泣いてました!まーしぃとセンラさん優しすぎだろ皆が号泣する意味が分かったわ( ´-`)はぁ〜、ア、長文失礼致しました(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年3月11日 23時) (レス) id: 188fe694c8 (このIDを非表示/違反報告)
紅灯−あかり− - 忘愛症候群やばいです…風邪気味で鼻水詰まってるのにさらに鼻水詰まりました…どうしてくれるんですか!!(知らない)泣きました。わしも年かのぉ…涙腺が緩いんじゃぁ…はい、ただ感情的になりやすいだけでした。すみませぬ。 (2019年11月1日 22時) (レス) id: 49764e6f70 (このIDを非表示/違反報告)
れいとう - 初コメ失礼します。好きです!忘愛症候群すんごいよかったです!途中からずっと泣いてました! (2019年10月26日 23時) (レス) id: 426c155c46 (このIDを非表示/違反報告)
いろ - マジで号泣しました。ふぇぇ…、素晴らしいですぅ…。(夜中だったんで声を殺して泣いてました←きつかった) (2019年8月2日 2時) (レス) id: 993fed07f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緑春 | 作者ホームページ:(ヾノ・∀・`)  
作成日時:2018年3月15日 19時

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