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ちょっと話あるから、と、志麻に連れられた先は中庭の大きな桜の木の下。
桜はまだ五分咲き、といった所。
「ええと、話と言うのは...？」
「俺さ、東里大学行くんだけどさ....、その、」
東里大学というのは、ここら辺で一番頭のいい大学。
いつも留年ギリギリだった志麻にとっては超難関大学だった筈なのに、合格できるのは本人が相当頑張った証拠なのだろう。
しかし、そんなことより、Aは志麻の言いたいことがイマイチよくわからないのだ。
「そうですか。」
そして、自分の遙か遠くに行ってしまうことが悲しくてたまらない。
「でさ、合格できたんは周りの人の支えがあったからで、だから、俺はAの支えになりたいんよ。」
「えっと....？どういう....？」
やっぱり、といった顔でこちらを見てくる志麻。
なにかやらかしちゃった？と、焦っているのを見てふはっと吹き出してしまった。
「え、！？なんで笑うんですか！？」
「はぁ、だーかーらー、好きだっつってんだろ！」
「はぇ！？」
自分の出したことのない声がでてしまい(しかも大声)顔に熱が集まってくる。
そして、思ってもいなかった展開に頭が追いついていない。
「(すき？スキ？SUKI？.....。好き！？)」
ようやく言われたことの意味がわかった。
そして、昨日散々流して、もうでてこないだろうというほど流した涙が糸が切れたように出てきた。
「じま“ぜん“ばい“ぃ“ぃ“..。」
「あーもう、泣きすぎやって！返事は？」
「ｽﾞﾋﾟｯ....はい..ｽﾞｽﾞｯ」
「まぁ、そうやろ。告白してかたんやからな。」
「フラれたと思ってましたぁ！！」
「誰もいいえなんてゆうてないやん！」
「大好きですぅ。」
「俺は、愛しちゅうよ？」
「......ずるいです。」
咲く恋一つ。
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