#95 your side ページ16
『はっ！！』
「そーれっ 」
私のシナイが軽く弾きとんだ。
また私の負けだ。
『ううう、勝てないよ‥…』
「Aは強くなってるって！
………だから、今日はAに渡したいものがある」
ちょっと待ってて、と言って持ってきたのは、一振りの大きな剣。
『わ、すご……』
「わたしが昔使ってたやつ、天羽々斬。
これはね、意志を持つ刀なの」
『意志……？』
「簡単に言うと、生きてるってこと。使い手が荒れてれば殺傷能力が増すし、怖気付いてれば一切力が出ない」
スパ、と大きな岩をパイでも切るかのように真っ二つにする。
が、木に同じように刃を向けても傷一つ残らない。
『すごい……でも、私には使えないよ』
「大丈夫、剣は“優しさ”だから。
優しいあなたになら、絶対使いこなせる。
天羽々斬は、あなたに預けます」
刀を受け取る。
こんなに大きいのに、羽のように軽い。
「さ、今日はもうおしまい。支度して帰んな」
『あなたの、名前……は？』
咄嗟に聞いていた。
今聞かなきゃいけない気がした。
彼女は少し目線を外して切なそうにしたあと、私の目を真っ直ぐに見つめた。
「……カナタ。10年前に捨てた名前だよ」
『カナタ、さん……。素敵な名前』
「ああ。オヤジがくれた名前なんだ」
そのあたたかい笑顔が最後だった。
次の日、カナタさんは森から姿を消した。
家も無くなっていた。
母親に、カマをかけてみた。
『ねぇ母上……最近森に妙な女がいるのだけれど』
「ああ、あれならもう捕まえさせてヒューマンオークションに売り飛ばしたわ。もう大丈夫よ、A」
部屋に戻って、号泣した。
その日が、私の決意の日となった。
20の即位を目前にして、私は家を飛び出した。
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よる - ワンピースなんも知らない初心者なんですけどゾロが好きすぎてこの小説を読みました！めちゃくちゃ面白かったです！文章の流れや設定が好みすぎてありがとうございます！ (2022年10月6日 3時) (
レス) @page26 id: 810f550f67 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - はじめまして！コメント失礼致します！昨日この作品見つけて一気に読んじゃうくらい素敵な作品でびっくりです！！すぐにまた読み返したくなるほど大好きでファンになっちゃいました^^*これからも楽しみにしています！(*^^*) (2020年8月30日 11時) (レス) id: 0b7d173a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：烏龍茶 | 作成日時：2019年9月14日 23時
