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始業式を行うため体育館へ向かうと、眠そうにしている(人2)を見つけた。
「(人2)!起きて〜!」
「わ!!急に抱きついてきたら危ないじゃん〜!今ので起きた!笑」
「あ、角名きたよ」
(人2)にそう言われ入口の方を見ると治くんにのしかかって欠伸をしている角名くんの姿が見えた。
「うあ、、、えぇかわいすぎない?めっちゃ眠そう」
「話しかけてきたら?」
「いや、無理、、何も話すことないし」
そもそも私は気軽に話しかけられる程、角名くんと接点がある訳ではない。
私が侑と話してる時に丁度用があって侑を訪ねてきたり、練習試合を観に行った時にたまに話すくらい。
気付いた時には角名くんばかり目で追っていて、好きだと自覚してからは顔に出さないようにするのに精一杯だからまともな会話も出来ないままだ。
「朝から角名くんみれるだけで満足だわ〜」
めっちゃ好きじゃん、と笑う(人2)をみるといきなり手を高くあげて「治〜!!角名〜!!」と2人を呼んだ。
「え!?何してんの!?聞いてた!?」
「いーじゃん!折角なんだから話しなって!」
そう言ってニヤニヤしている(人2)はいつになく楽しそうだ。
(心の準備できてないのに、!)
足の長い2人はあっという間に目の前に来ていて、平然を装いながらゆっくりと顔を上げる。
「おはよう、」
「ん、はよ〜」 「(人1)さんおはよ」
ああもう。角名くんからおはようって言ってもらっただけで1週間乗り切れる。
、、、でも下の名前じゃなかったな。あの時確かに呼んでくれた気がしたのに。
というか
「治くんすっごい眠そうだけど、、」
眠気からなのか眉間に皺を寄せて整った顔立ちを歪ませている治くん
そんな治くんを横目に角名くんは
「ああ、お腹空いてるだけだからどうせ」
と、慣れたように言った。
そうなんだ、と呟くと同時にチャイムが鳴ってしまって別れを告げて自分の列へ戻る。
去り際に(人2)が治くんに「後でなんかお菓子あげるから頑張って起きな、先生に見つかったら怒られるよ」と声をかけているのを見て餌付け?と少しだけ笑ってしまった。
校長先生の長い話を聞きながら、新学期も楽しく過ごせるといいななんて考えていた。
そんな呑気な私の願いはたったの2週間で崩れた。
侑からの誘いで練習試合を観に行った私は試合を見終えて侑にLINEを送りながら家に帰ろうとした。
「ちょっといいかな」
そう声をかけてきた女子の先輩4人をみて一瞬で悟る。
私はどうやら邪魔な存在のようだ。
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かなちょす(プロフ) - すすさん» コメントありがとうございます!書きたいところだけ書いてしまってるので本当に急展開で申し訳ないです(^^;)文才、、私も欲しいくらいですがお褒めの言葉ありがとうございます! (2021年1月4日 14時) (レス) id: 19fa65fe85 (このIDを非表示/違反報告)
すす - 展開が急なのに変な感じがしないのは、かなちょすさんに素晴らしい文才があるからなのですねぇ。、、、わけてください (2021年1月3日 18時) (レス) id: 34647cc332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなちょす | 作成日時:2021年1月2日 0時