* 騙し騙され。そんな生活だと思っていた。〈ヒソカ〉 (ページ1)

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ある日の昼下がり。

「よしっ。」

昼食を作り､飾り､更には食後のデザートなんか

作ったりして。

そんな時、つい癖で2人分作ってしまう自分が悔

しく感じると共に少し会いたい気持ちが湧く。

でも、最近はあまりない1人の時間

そんな時間を楽しんでいた。

______そう、楽しんでい"た"のだ。

『やあA。君の彼氏の登場だよ♢』

「っひ?!」

完全に気を抜いていた私は絶を使い近づいて

きたヒソカに気がつくはずがなかった。

『なあにその反応…もしかして誘ってるの?♧』

はあ。私は本当にとんでもないやつを好きにな

ってしまったようだ。

『沈黙は肯定と捉えていいのかな?♡』

頭がおかしい。

「1回滅びてくれ。」

なんて。いつもの会話。

もちろんこいつに効かないことはわかっている

そして、返ってくる言葉もわかっている。

『Aに殺されるなら本望さ。

仮にキミがボクを殺せたら、の話だけど♧』

「余裕だよそんなの。」

もちろん嘘だ。こいつにかなうはずがない。

というか___ずっと一緒にいたいから殺せない

と思ってしまうのは私だけなのだろうか。

『ｸｯｸｯ…ところで何か食べたいなぁ♤』

きゅ、と締まる感覚を覚えた胸を抑え、笑う。

上手く笑えているだろうか。

こんなピエロの一言一句に一喜一憂

こんなにもこいつに溺れていたなんて。

「ご飯、食べようか。2人分あるし。」

思ってもいなかった。

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