先生はウソつき。ｰR.Yｰ (ページ34)

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『皐月さん！』

皐「 …Aちゃん！久しぶり！」

『お久しぶりです！！待ち合わせ？』

皐「そうよ、Aちゃんは？」

『ふふっ、私ね、彼氏出来たんです！

その彼氏の親戚がこの店で働いてるらしくて、ここから見えるイルミネーションが綺麗だから見に行こうって言ってくれてっ』

皐「幸せそうで何よりだわ(笑) 」

『皐月さんも恋人さんと？』

皐「まさか！何ヶ月か前に、私のピアノが好きって言ってくれる人が声を掛けてくれてね、

その人と意気投合して仲良くなったの(笑)

今日はその人と待ち合わせ。残念だけど、ただのお友達よ(笑) 」

皐月さんは凄くおしとやかな人。

笑うときも、こうして口に手を添えて笑う。

ピアノを弾く姿も凄く絵になるし、

女性らしさで溢れている人。

皐「あ、きたきた。涼介さん！」

……え？

りょうすけさん…て、山田先生と同じ名前───

涼「皐月さん、お待たせしま………え、？」

『山田…先生…？』

涼「 A…… 」

皐「え？お知り合い？」

涼「え？あ…あぁ、俺の受け持ってるクラスの生徒ですよ」

皐「ええ？！そうだったの？！」

待って、頭が追いつかない。

なんで山田先生、皐月さんと？

皐月さんたしか、「私のピアノが好きって言ってくれる人が声を掛けてくれて」って言ってたよね？

……何ヶ月か前に、って。

…あぁ、でもお友達か。

そうだよね。

山田先生の、皐月さんを見つけたときのあの愛おしそうな表情は、

私の見間違い…だよね？

『 …じゃあ、私はこれで！』

どうでもいい…

別に山田先生が誰といようが、

どこで何をしてようが、どうだっていい。

むしろ山田先生が幸せなら、その方が私だって告白を断ったことを忘れられる。

なのにどうして？

こんなにも胸が苦しい…。