先生はウソつき。ｰR.Yｰ (ページ33)

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そして、告白を断ってから数週間。

有岡先輩……大ちゃんとデートの約束をしていたこの日。

私は、山田先生の " 本当の狙い " を知ることになった。

『大ちゃん！』

大「おはよーAちゃん！」

『おはよう！今日どこ行くの？』

大「んー？ふふっ、いま冬でしょ？そして、冬といえばイルミネーション！

親戚の人がカフェやってて、そこから見えるイルミネーションが綺麗だから、今日はそれ見に行こうかなって！」

『わぁ、すごい！！』

季節は冬。

白い雪がうっすら道を染めて、行き交う人達はマフラーに顔を埋めている。

山田先生との告白は、まるで無かったかのように月日は経ち、

今じゃ私は " あの仮面教師も悪い人じゃない " と比奈に言うまでになった。

その比奈に大ちゃんと付き合っていることがバレた時は、散々質問攻めされたけど…(笑)

…1番の問題は、芝崎玲先輩だった。

あの人は、私たちが付き合っていることを知るなり私に対して色々嫌がらせをしてきた。

大ちゃんが何度か注意してくれて、少しマシにはなったものの、

今もすれ違ったときは睨まれたり笑われたりする。

それでも、大ちゃんがいれば何も怖くなかった。

大ちゃんさえ私の隣にいてくれれば、

他の誰がいなくても幸せだと思っていた。

大「ここだよ！」

『お洒落なカフェ～…。

……あれ？』

大「どした？」

『 …従姉妹がいる(笑) 』

大「え、まじ？」

『うん(笑)

ごめん、先座ってて！声かけてくる！』

大「おう！」

店の中に、従姉妹の花江皐月さんがいた。

皐月さんはピアニストで、色んなお店でピアノを弾いてるらしい。

実は私もピアノを少し弾くんだけど、

教わったのは皐月さんから。

だからよく、皐月さんと弾き方似てるねって言われる。