先生はウソつき。ｰR.Yｰ (ページ32)

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次の日、

私はいつもより早めに学校に行き、職員室の扉を叩いた。

『失礼します、2年7組瀬川です、

山田先生いらっしゃいますか』

涼「後ろ」

背後から声をかけてきて、

思わずビクッとする私に山田先生はふっと笑った。

『じ、時間！…いいですか』

涼「教室行こっか」

────

『あ…の、』

涼「昨日のこと？」

『え、あ、』

涼「昨日の俺の告白のことを夜に考えすぎて寝れなかった。

で、徹夜で考えたのは、どうやって告白を断るか。

断るの申し訳無いし、断ったあとどうやって接するべきかわからない、

そもそもちゃんと断ることができるかわからなくて不安。

誰かについてきてもらったら少しは楽だろうけど、それは違うと思って、こうやって徹夜明けで一人できた

そんなとこ？」

『なんで… 』

涼「 …Aのことはちゃんと分かってるよ。

だからそんな悲しそうな顔すんなって。

そもそも俺とお前は教師と生徒なんだから、

俺が勝手に好きになったところで報われるなんて思ってねーし。

Aは何も怖がらなくていい。何も心配しなくていい。

ただ、これからも普通に接してくれるだけでいいから。」

色々断る言葉を考えていたのに、

それを1つも私から言わせないで山田先生はポンっと私の頭に手を置いた。

その微笑みを照らす柔らかな日差しに、

思わず涙が出そうになるのをこらえて、

『 … かっこいいとこあるじゃん。』

涼「だろ？w 」

『言わなきゃ良かった。調子乗らないで(笑) 』

涼「えーひどぉい」

先生の想いは本当に嬉しい。

だからその感謝だけは伝えたかった。

『ありがとう山田先生』

涼「 …おう。こちらこそ。」