◇ ページ12
現国の時間は、まあ気まずくて。
5月6日の今日、出席番号が6番の私は何度も当てられたんだけど。
そのたびに山田先生は、私の様子を窺うように目を合わせてきた。
別に…この状況で先生の事拒絶するつもり無いけど。
涼 「 じゃあ最後にこの物語の感想を…学級委員に 」
涼 「 赤江はいっぱい当てたから、伊野…って
おい！伊野尾！！おま、学級委員なのにそんな堂々と寝るかよ… 」
机を揺らしても起きない伊野尾くんに、頭を抱えた山田先生は
また私の目に視線を合わせて訴えた。
はあ…この授業だけで4回目なんですけど、当てられるの。
しかもまだ感想かけてないし。
私苦手なんだよなあ…特に今回の物語は恋愛要素多めだし。
涼 「 …書けてなくてもいーから…考えて言ってみて 」
『 …… 』
そんなの無茶振り。
国語は得意だけど、人前で発表するような語彙力はあいにく兼ね備えてない。
『 ……元々…小さい頃からの幼馴染みだった2人は、ずっとお互いの素直な気持ちを言えなくて、読んでるこっちが凄くむず痒かったです。
だけど、結局2人は同じ気持ちだったって知って…でも、2人はその時身分が違いすぎていて、決して結ばれちゃいけない運命で…
周りの人に散々反対されて、嫌がらせ受けて、それでも自分たちの気持ちと真っ直ぐ向き合う姿が本当に素敵だと思いました。
最後はいわゆる駆け落ちっていう結末に驚いたけど、小さな村で幸せに暮らせるのは羨ま…しいと…… 』
…ねえ山田先生…どうしてそんな悲しそうな顔、してるの？
…ねえ…なんでこんなに視界がぼやけてるの？
さ 「 …A…？ 」
『 …っ… 』
途中で黙りこんだせいか、ざわめく教室。
先生も呆然と立ち尽くしたまま。
こんな物語…ないよ…。
結ばれちゃいけない運命だった、身分違いの2人が駆け落ちで幸せに暮らす…？
そんな都合の良い結末…あり得ない…。
さ 「 先生！赤江さん体調悪いみたいなんで、保健室連れて行ってきます 」
涼 「 え…あ、…あぁ。 」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lemon lemon u - 初コメです！ 私も今、先生×生徒の恋のお話の書いているのですが(生まれ変わるなら、もう一度、あなたと。 というタイトルです！) これは泣きますね！いや〜、悲しみが深み (2022年3月22日 10時) (
レス) @page26 id: 1cb4a4c603 (このIDを非表示/違反報告)
山田咲菜(プロフ) - ものっすごい続きが気になります…！ぜひぜひ！とても胸が痛くて泣くぐらいのお話なので、続きを…！ (2020年10月16日 0時) (レス) id: b851b1a625 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - すごく面白いです！続きが気になります！頑張ってください！ (2018年10月14日 23時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ - すごく面白いです！！！更新頑張ってください！待ってます。 (2018年3月25日 20時) (レス) id: adcf47046b (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 続きが欲しいデスっ！！ (2018年3月4日 17時) (レス) id: c7435152ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
